1276psでもシンプルに後輪駆動 マクラーレンW1(1) HVで乾燥重量1399kg サスに組まれた新開発「ヒーブバー」

公開 : 2026.07.01 11:45

最大300mm後方へスライドする可変ウイング

マクラーレンの象徴ともいえる、斜め上へ開くディヘドラルドアには、空力的なメリットがある。一般的な横開きの場合、ドアヒンジが位置する高さは、可変式フロントスプリッターから導かれる気流の速いエリアと重なるのだという。

巨大なリアウイングも可変式で、後方へ最大300mmスライドし、底面でディフューザーが生む渦を受け止める。電子的に走行場所が判別され、公道での利用は制限されるが。ダウンフォースは、最大で1000kgに達するそうだ。

マクラーレンW1の運転席へ座る筆者、マット・プライヤー
マクラーレンW1の運転席へ座る筆者、マット・プライヤー

高品質なキャビンには、シートが2脚。運転姿勢は低く自然で、フロントピラーは歴代のマクラーレンで最も細いらしく、視界も広い。フロントフェンダーの峰が両脇に見え、ミラーが大きい。リアウインドウはないが、カメラ映像をモニターで確認できる。

タブシャシーへ固定された2脚のシート

アストン マーティン・ヴァルハラやフェラーリF80と同じく、2脚のシートはタブシャシーへ固定されており、ペダルボックスが前後へスライド。リクライニングできなくても、重いシートレールを省け、シート単体での揺れもなくせる。

やや左寄りのペダル配置は、マクラーレン流。左足でもブレーキペダルを踏みやすい。カーボン製ボックスの内側には、オーディオ用のサブウーファーが隠れている。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

シートのクッションは、シェルの形状に合わせてはめ込まれ、座面部分には5点ハーネス用の穴がある。通常の3点式シートベルトを利用する場合は、その穴をカバーで埋められる。筆者の経験上、空いたままだとペンや小銭などを落としがちだ。

ステアリングコラムとメーターパネルは、電動で位置を調整可能。ステアリングホイールは、足元と前方の視界を広く取れるよう上下がフラットだが、可能な限り真円へ近づけたという。シート後方には、小さな荷物置き場がある。

気になる走りの印象とスペックは、マクラーレンW1(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マクラーレンW1の前後関係

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