スバル最新EV『ソルテラ』と『トレイルシーカー』の話(前編)かなりの規模となるワールドワイド展開【日本版編集長コラム#89】

公開 : 2026.07.05 13:05

光る『六連星』オーナメント

最初に取材したのはソルテラだ。

昨年10月29日に商品改良を受け、新デザインのヘッドライトとフロントバンパーを採用。ホイールアーチをブラック塗装に変更し、ボディ同色のオプションも設定した。光る『六連星』オーナメント、『SUBARU』ロゴの入ったリアゲートガーニッシュも特徴だ。

商品改良で、新デザインのヘッドライトとフロントバンパーを採用。
商品改良で、新デザインのヘッドライトとフロントバンパーを採用。    平井大介

取材車は上級グレードの『ET-HS』で、価格の安い『ET-SS』がFWDとAWDをラインナップするのに対し、AWDのみとなる。航続距離は最大746km(FWD)となり、バッテリープレコンディショニングを使用することで、低温時において10%から80%の急速充電が約28分(150kW)となったことも謳われている。

ボディサイズは全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベース2850mmで、実車はかなり大きく感じた。貸し出し場所となったスバルの駐車場を出る時に、少し緊張感があったほど。

まず気が付いたのは、メーターディスプレイが高い位置にあり視認性が高いことだ。ステアリングは若干小径で、大きな体躯を想像よりも小さく感じさせてくれる。個人的に好きな、プジョーのiコクピットを思い出した。ダイヤル式のシフトなどインターフェイスも使いやすく好印象だ。

bZ4Xのタクシーで体験した後部座席でも感じたとおり、室内はとにかく広い。さすが北米市場で販売されるだけのことはある。個人的な生活圏では大きすぎるボディサイズだが、実用車としてかなりいいパッケージだろう。605万円という価格もいい線をついてきている。

思ったよりもいいクルマ

大変失礼ながら、乗り始めて抱いた率直な印象は『思ったよりもいいクルマ』だということ。車重がジャスト2000kgあるため、街中の路面がよくないところではどうしても重々しい動きになるが、ボディ剛性が高いのか許容範囲に収まっていると思う。

そして何より、とにかく速いことに驚いた。モーターはフロントが227ps/268Nm、リアが120ps/169Nmというスペックで、実際の重量は2t以上あるボディを軽々と加速させる。また、EVらしく重心の低さが安心感を加えていた。

メーターディスプレイが高い位置にあり、視認性が高いコクピット。
メーターディスプレイが高い位置にあり、視認性が高いコクピット。    平井大介

回生ブレーキの効き具合も絶妙だ。パドルシフトで強さを切り替えることができ、その強弱を固定できるのも好みだった。最近は、すぐに元の強さに戻るクルマも多い。

気になったのはシート形状が身体に合わないのか、長距離の座り心地があまりよくなかったこと。これは同乗者からも同様の声があったので、機会があればシート担当者に話を聞いてみたい。あと、600万円級のクルマなので、ドアの閉まり方にもう少し高級感があるといいと思った。

ボディを共用しながら上手く作り分けている

ちなみに立ち寄ったサービスエリアで、偶然bZ4Xと並ぶ場面があった。室内に人がいなかったのでじっくりと見比べてみたのだが、ボディを共用しながら上手く作り分けていると感じた。

どうも『共用』という言葉には、『作り込んでいない=手抜き』というイメージが付きまとうが、コストが下がることは車両価格に反映され、結果的には顧客のメリットになる。だから、個人的には必要な部分はどんどんやったほうがいいと思っている。

自宅で100%まで充電したところ、航続距離は439kmを示した。
自宅で100%まで充電したところ、航続距離は439kmを示した。    平井大介

気になる航続距離は、5月下旬の気候で以下のとおり。

・航続距離441km/残量100%でスタート
・331.5km走行し、60km/14%で90kW急速充電(30分)
・239km/56%まで回復
・もう36km(合計361.5km)走って221km/50%に
・自宅で100%まで3kW普通充電(約15時間)
・439km/100%で充電完了

ついツインモーターを楽しみすぎてしまったので、実際はもう少し航続距離が伸びるだろう。また、50%までで361.5km走れているので、カタログスペック622kmにだいぶ近いものが出そうな気がした。

……さて、今回もだいぶ長くなってきたので、この話は後編に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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