V12自然吸気を6速MTで味わう秀逸さ フェラーリ『12チリンドリ・マヌアーレ』 キレのある金属的操作感【UK編集部が実車を取材】

公開 : 2026.07.06 12:05

マヌアーレの操作感は?

マヌアーレを実際に運転してみなければ、この異例のアプローチが成功したかどうかはわからないだろう。現時点では、静止した車内で操作系を触ってみるしか方法がない。

イルミネーション付きのシフトゲートパターンがシームレスに刻まれたシフトノブは、手のひらに心地よい感触を与える。シフトストロークの変化に富んだ抵抗感と弾力性もリアルで説得力があり、内部のロッカー、スプリング、そして下部に配置されたソレノイドのおかげで、期待通りに重みが増したり減ったりする。

フェラーリ12チリンドリ・マヌアーレとAUTOCAR記者
フェラーリ12チリンドリ・マヌアーレとAUTOCAR記者    AUTOCAR

シフトストローク自体にも、かつてのモデルよりもはるかに際立った金属的な「キレ」がある。おそらく、マニュアル・トランスミッションが搭載されていた以前のV12フェラーリに比べ、シフトストロークは若干短くなっていると思われるが、これは12チリンドリのスロットルレスポンスやダイレクトなステアリングに適しているだろう。ドライビング・エクスペリエンスが緩慢になったり、時代遅れに感じられたりすることはないはずだ。

フットウェルでは、クラッチの操作感はかつてのV12マニュアル車よりも軽いものの、その差はごくわずかだ。依然として10~15kgの力が必要だが、動きは滑らかでリニアだ。

フェラーリによると、コールドスタート時のフルードの温度上昇による影響は再現されていないため、旧来のマニュアル車のような、まるで「生きている」かのような感覚は得られないという。エンジニアたちは、この種の変動要因を考慮すると、一貫性を損なう不必要な複雑さが生じてしまうと述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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