電力を得たジャイアントキラー ポルシェ911 ターボS(1) カレラGTS譲りの3.6Lフラット6 アナログとデジタルが理想的に共存

公開 : 2026.09.03 18:05

スポーツカー屈指のキャビンデザイン

インテリアは、コーディネートの幅が広く、楽しく悩める。930型で採用されていた、目が眩みそうな格子のパシャ柄で、シートを包む事もできる。試乗車はターボナイト・グレーで統一され、若干地味な印象ながら、素材の質感は間違いなく高い。

シートは座り心地が素晴らしく、落ち着いた造形で居心地も良い。操作系は直感的なデザインで、運転環境の人間工学も高水準。後方も含めて、視界の広さも申し分ない。普段使いとの親和性にも配慮され、スポーツカー屈指のキャビンといえる。

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)
ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)

エアコンやオーディオ、ライト、ミラーだけでなく、ノーズリフト機能にサスペンション、スポーツエグゾーストやドライブモードの切り替えにも、物理スイッチを採用。いずれもタッチが素晴らしく、ひと目で役割を理解できる。

+2の後席と128Lの荷室が生む実用性

メーターパネルはモニター式。表示はカスタマイズできるが、従来的な5連メーター・グラフィックがあれば、と思うのは筆者だけではないだろう。センターモニターが存在しても、アナログとデジタルのバランスは理想的に思える。

フロントの2席は、18ウェイのアダプティブ・スポーツシート。オプションで、パッドの薄いスポーツ・バケットシートも設定され、座面の位置を僅かに下げられる。標準のアイテムは、快適で乗り降りしやすいものの、若干高めだ。

ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)
ポルシェ911 ターボS(992.2型/英国仕様)

+2のリアシートは、車重がやや増えるが無償オプション。ボンネット下の荷室は128Lで、歴代の四輪駆動の911では最大級。駆動用バッテリーを積むが、小さなスーツケースなら収容できる。この実用性は、確かな魅力だ。

車重はハイブリッド化で85kg増え、1725kgが主張される。ガソリンタンクが半分での計測値は、1754kgだった。極端に重くなったわけではないが、ハイブリッドの911 カレラGTSと150kgも差があることは間違いない。

気になる走りの印象とスペックは、ポルシェ911 ターボS(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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