リアエンジン車の黄金時代(前編) フォルクスワーゲン・ビートルに影響を与えた名車からスバル360まで 1950~60年代のトレンド 

公開 : 2026.09.21 12:05

ルノー・ドーフィン(1956年)

ルノー4CVは、1949年から1955年にかけてフランスのベストセラー車となった。その勢いを維持するため、買い替えを検討している4CVのオーナーに向けた、より大型で快適なモデルを開発した。

1956年に誕生したドーフィンは、1957年から1961年にかけて販売ランキング首位を維持した。ルノーの賭けは見事に成功したと言えるだろう。外観は4CVよりも格段にモダンだったが、後部に搭載された水冷4気筒エンジンをはじめ、多くの機械的コンポーネントを共有している。ドーフィンの派生モデルもいくつか登場した。

ルノー・ドーフィン(1956年)
ルノー・ドーフィン(1956年)

派生モデルとしては、より高級なオンディーヌ、高性能モデルのゴルディーニや1093、そしてコンバーチブルのフロリードなどがある。また、米国でも販売され、当初は小型のセカンドカーを求める家庭向けに好調な売れ行きを見せた。

特に注目すべきは、アルファ・ロメオがイタリア市場向けにドーフィンを生産したことである。これは同社唯一の量産型リアエンジン車だ。ドーフィンの生産は、フランスでは1967年、アルゼンチンでは1970年に終了した。ルノーは200万台以上を生産した。

フィアット500(1957年)

フィアット600はあらゆる予想を上回る成功を収めたが、多くの消費者にとっては手の届かない存在であり、彼らはスクーターやモペットで妥協せざるを得なかった。そこでフィアットの経営陣は、経済的に余裕のない家庭でも手に入れられるよう、より小型のエントリーモデルの開発をダンテ・ジアコーザ氏に委ねた。そして、1957年に500がデビューした。

速度が遅く、騒音が大きく、かなり簡素な仕様だった初代500は、発売当初、少なからぬ人々に首をかしげられた。600を買うために貯金したほうがましだという声も多かった。1957年後半、装備を充実させ、479ccの2気筒エンジンの出力を15psに引き上げたことで人気が回復した。500は、後継車として計画されていた126の発売から3年後の1975年まで、堅調な売れ行きを維持した。

フィアット500(1957年)
フィアット500(1957年)

600と同様、500もイタリア国内外で多くの派生モデルを生み出した。アバルトやジャンニーニがレースで名を馳せたほか、ジャルディネッタというワゴンタイプや、さらにはジョリーと呼ばれるビーチ向けのモデルまで発売された。

オーストリアのシュタイア・プフ社は、より高出力のフラットツインエンジンを搭載することで、アルプスでの走行に適した仕様に仕上げた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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