ロードテスト フォルクスワーゲン・ポロGTI+ ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.12.09 11:40  更新 : 2018.12.13 13:13

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

初代ポロGTIは1.6ℓの自然吸気エンジンでスタートし、その後2代目では1.8ℓになり、3代目(写真)には1.4ℓターボが搭載されていた。そして今回の4代目では、兄貴分でありGTIの代名詞でもある、ゴルフGTIのスペシャルエンジンが搭載されることになった。型式はEA888と呼ばれる、2.0ℓの4気筒ターボ。ゴルフとチューニングは異なり、ポロGTIの場合は最大出力が200ps、最大トルクは32.5kg-mを発生する。

この数値は、ミニ・クーパーSで最高出力とトルクで勝るうえ、フォードフィエスタSTとルノー・クリオRSの場合、最高出力とトルクだけでなく、中回転域でのパワーでも凌駕している。数字としては悪くない。ボディは5ドアのみで、駆動方式は前輪駆動のみ。当面はツインクラッチ式の6速DSGのみとなるが、追って6速マニュアルも登場する。

トランスミッションの先には、このクラスのライバルが本物の機械式LSDを採用する中で、フォルクスワーゲンは「XDS電子デフファレンシャル・ロック」を選択した。勘のいい読者なら分かると思うが、このデフはLSDではなく、フォルクスワーゲン・グループの他のモデルでは「XDS+」と呼ばれているものと同等のものだ。

「XDS」は、基本的にはスタビリティコントロールのソフトウェアによってフロントブレーキの制御を行うことで、トルクベクタリング機能を果たすシステム。既にわれわれはその確かな効果を別のモデルで体験済みではある。

ポロGTIのサスペンションは全面的に見直され、スプリングレートを高め、短くなったコイルスプリングに、減衰力を高めたダンパー、強度を増したアンチロールバーが組み合わされる。その結果、車高は標準のポロより15mmほど低い。また、ホイールハブとステアリングナックルもGTIの専用品となり、車軸の運動軌跡を整え、ロールセンターの高さも見直されている。

サスペンション形式は、フロントがストラット式で、リアがトーションビーム式。スーパーミニと呼ばれるAセグメントのホットハッチでは、一般的な組み合わせだといえる。英国の場合、硬さをノーマルとスポーツで切り替えられる、セレクティブダンパーが標準装備されるが、他の販売エリアでは異なる模様。

大径化されたブレーキディスクに合わせて、ホイールは標準で17インチとなるが、追加費用で18インチも選択できる。フォルクスワーゲンによれば、車重は1355kgとしているが、スーパーミニ・クラスの中では比較的重い方だといえる。われわれのテスト車両の場合、実際に計測したところ1342kgと、わずかながら軽い数字が出た。

Aセグメントの場合、中には1200kg台のクルマもある。しかし、標準装備が充実し、溢れるトルクを備えていることを考えれば、ポロGTIのやや肥満気味の車重も、多少は目を瞑れるのではないだろうか。

 

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