ディフェンダーベースのレースカー

（MP）「そこはこれからということで。ソーンダース、きみのクルマが何ていうのか忘れたんだけど。自分でつくったのかい？」

（MS）「これはボウラー・ブルドッグ。すごいよ。知らないとはいわせないよ。突然出てきた想像を絶するクルマなんだ。すごく面白いし、いろんな顔をもってる。紛れもない競技用車両だけど、ディフェンダーの改造車のなかでは信頼性も飛びぬけて高い。役割としてはプラットフォームの可能性をしめすデモカーみたいなものだから、お楽しみはこれからというところだね」

（AF）「そのプラットフォームはまったくの新設計？」

（MS）「自社製の完全新設計だよ。クロスセクター・プラットフォームといって、柔軟性が売りなんだ。本来は受注生産の3.5～4トン級の特殊用途車むけなんだけどね」

（MP）「じゃあ、ただのレースカーじゃないんだ」

（MS）「そう。5～10年後には、大規模NGOむけの生産を50%以上に引きあげるらしいよ」

（SC）「内装も最高だね。まんまレース用のシートもそうだし、どれもこれもがいかにも『マシン』という感じで」

（MS）「だろう？　ぶっ飛んでるよね。ポルシェ・カイエンとはぜんぜんちがうよ。まあ同じ必要もないけど。これで真剣勝負のラリーがしたくてしかたないよ」

（AF）「アリエルにも通じるところがあってわたしは好きだな。見た目も音もハチャメチャだけど、まっとうな造りのクルマだよ。英国のあちこちにこういう小さい会社はあるけど、ただヘンなだけのクルマじゃなくてこんなにすぐれたものもつくっているのは、実にすばらしいね」

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