【再導入へ】北欧スポーティのキラーコンテンツ、ポールスター・エンジニアードのボルボS60 T8に試乗

公開 : 2020.04.10 07:50

この夏、“北極星”のボルボが再び日本に。再導入を前に、ボルボS60 T8ポールスター・エンジニアードに試乗。V60 T8と乗り比べて検証しました。

もくじ

青じゃないポールスター ボルボとの関係
「スペック厨お断り」の内面オーラとは
ボンネット下でシャシーの特長を誇るタイプ
トッピングでない 縁の下の力持ちとしての電気
ワゴンと比較 V60 T8ツインエンジンAWD試乗
ブレンボ製6ピストン 踏み側も緩め側も好感触
超・理性的なスポーツサルーン
試乗車 価格/スペック

青じゃないポールスター ボルボとの関係

text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

日本への初期入荷ロットの30台は瞬く間に蒸発して売り切れ。夏以降、2021年モデルになってから再入荷もあるらしい。

いずれ打ち止め御礼にも関わらず、2020年式S60 T8ポールスター・エンジニアードの試乗が叶ったことはラッキーだった。

ボルボ日本法人は「2020年夏頃、S60・V60・XC60の3車種にT8ポールスター・エンジニアードを台数限定で導入予定」と発表。右が完売したS60 T8ポールスター・エンジニアード。
ボルボ日本法人は「2020年夏頃、S60・V60・XC60の3車種にT8ポールスター・エンジニアードを台数限定で導入予定」と発表。右が完売したS60 T8ポールスター・エンジニアード。

記憶力のいい方は先代S60/V60ポールスターの、あの鮮やかなブルーのボディを覚えていて、なぜポールスターなのに青じゃないのか? そんな疑問を抱くだろう。現在の「ポールスター」ブランドの復習を兼ねてその経緯を説明しておく。

先代モデルの市販当時、ポールスター・レーシングは市販車のチューンを受け持つパフォーマンス部門と同レーシング部門で構成され、ボルボ社外にあった。

その後の2015年、ボルボは、パフォーマンス部門とポールスター・ブランドを管轄するポールスター・ホールディング社を100%子会社化し、レーシング部門はシアン・レーシングと名を変えた。つまりあの青(=シアン)は、今はレース・チームが使用するため使われていないのだ。

ちなみにポールスターの現在のイメージカラーは白で、MスポーツやメルセデスAMG、アウディ・スポーツらと独立子会社でハイパフォーマンス専科という点では立場も使命も似ているが、エレクトリファイド、つまり「電動化されたハイパフォーマンス」に特化している点が異なる。

という前提で今次のS60 T8ポールスター・エンジニアード(以下PE)を見ていくと、やはりハイブリッド・システムにも違いがあった。

「スペック厨お断り」の内面オーラとは

今回は通常モデル、オプション装備の違いこそあるが価格差は70万円しかないエステートのV60 T8ツインエンジンAWDインスクリプションも同時に試乗に連れ出した。

前後の電気モーターの最大出力&トルクは、(前)46ps&16.3kg-m(後)87ps&24.5kg-mで、V60 T8とS60 T8 PEでじつは変わらない。

ボルボS60 T8ポールスター・エンジニアードの内装。
ボルボS60 T8ポールスター・エンジニアードの内装。

だがリチウムイオンバッテリーの電力消費率、そしてフル充電時の予備容量は数%の差がある。

物理的な違いよりプログラム上の設定違いで、エネルギーの放出と回生という「出し入れ」が太くとられているか、駆動系などにプリチャージされる電力がやや大きいのだろう。

フル充電からEVモードで走れる最大航続距離がPEはスペック値で42kmと、通常モデルの48.2kmに対して少し狭まったが、実用上の差はないと見ていい。

むしろ差があるのは内燃機関。2Lターボ&スーパーチャージドのDrive-Eは333ps/6000rpm、43.8kg-m/4500rpmにまで磨かれたハイチューンだ。

結果としてPEのシステム全体の総出力はV60 T8の「318ps+87ps=405ps」より15ps増しとなる420psだが、増えた分がすべて内燃機関から来ていることは注目に値する。「スペック厨」的には不満かもしれないが、PEは電気で分かりやすい数値を追っていない。とどのつまり電気は絶対的パワーでなく、使い方の問題だからだ。

だがPEがボンネット下のアピールを忘れているかといえば、そうではない。

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