【再導入へ】北欧スポーティのキラーコンテンツ、ポールスター・エンジニアードのボルボS60 T8に試乗

公開 : 2020.04.10 07:50

ボンネット下でシャシーの特長を誇るタイプ

ボンネットを開けて鑑賞すべきは、美しい仕上げのストラットタワーバーだ。これでフロント剛性を固めた先に、オーリンズ製の22段階式可変ダンパーが見える。

後者は当然、フロントとリアに備わり、工場出荷時はそれぞれ6/9クリック戻しとなっているが、今回の試乗では12/15クリック戻しと、日本の道路の速度域を考慮したか、やや柔らかめに設定されていた。

エンジンフードを開けると、美しい造形のタワーバーと、オーリンズ製22段階式可変ダンパーのアジャスターを確認できる。
エンジンフードを開けると、美しい造形のタワーバーと、オーリンズ製22段階式可変ダンパーのアジャスターを確認できる。

スポーツシートはRデザインでおなじみの既視感あるカタチだが、滑りにくいスウェード調の起毛素材コンビである点が異なる。またシートベルトは鮮やかなイエローで、先ほどの可変ダンパーのダイヤルと色合わせしてある点も、さりげなく憎い。

どっしりと握りの太いステアリングを操って緩やかにアクセルを踏み込むと、ホイールが転がり出しての刹那は、通常のT8に輪をかけて滑らかにしたような、しかし大きな違いはない。

低速域の乗り心地に不快な突き上げがない点も似ている。

トッピングでない 縁の下の力持ちとしての電気

握りの太さのみならず、中立に戻ろうとするセンタリング傾向と反力強めのステアリングフィールは、ノーマルとかなり異なるが、旦那仕様めいたイージーさにきっぱり背を向け、市街地走行でも背筋を伸ばさせるところは、スポーツサルーンとして好感がもてる。

そして走行モードを「ポールスター・エンジニアード」に切り替え、アクセルを深く踏み込むと、音響的に増幅されてはいるが野太いエグゾーストノートを響かせつつ、PEは猛然と地面を蹴って加速し始めた。

ポールスター・エンジニアードはPHEV。42kmのEV走行ができる「Pure」のほか、性能を最大限に引き出す「 Polestar Engineered」モードなどを用意。
ポールスター・エンジニアードはPHEV。42kmのEV走行ができる「Pure」のほか、性能を最大限に引き出す「 Polestar Engineered」モードなどを用意。

電気モーターゆえの鋭いレスポンスを、トッピング程度に効かせる点はT8も同じだが、PEは通常モデルより2.5割増しほど滑らかさと力強さに優る感覚だ。

電気モーターはプラスアルファのブーストというより、パワフルな内燃機関のほとんどないレスポンスの切れ目を、さらに埋め合わせて底上げするかのよう。

平たくいえば縁の下の力持ちとして効いている、そんな印象だ。

ワゴンと比較 V60 T8ツインエンジンAWD試乗

逆にいえばノーマルのV60 T8ツインエンジンが、エステートボディゆえに上モノがやや重い分、ロールや収束時のボディの動きがワインディングで大きく感じるが、パワートレインを含む基本的なフィールがむしろ地続きだったことに驚かされた。

そこがSPAプラットフォームの出来映えの確かであり、チューンの違いが素直に、しかしはっきりと反映されているのだ。

SUVボディのXCモデルがボルボの販売を支える近年、日本ではワゴン・ボディの人気も根強い。試乗車はV60のトップグレード「T8ツインエンジンAWDインスクリプション」。
SUVボディのXCモデルがボルボの販売を支える近年、日本ではワゴン・ボディの人気も根強い。試乗車はV60のトップグレード「T8ツインエンジンAWDインスクリプション」。

通常モデルと決定的、かつ大きな差を生んでいたのは、ダブルフローバルブのオーリンズ製ダンパーの初期減衰の速さ、そして収束の速さによるボディの動きの抑制だ。

19インチの専用ホイールによるバネ下重量の軽減も効いているだろうが、荒れた路面を舐めるようにいなす動きの質の高さには、シビれるものがある。

電気モーターの滑らかさに下支えされたまま、トルクのピークが盛り上がるようなドラマチックな加速フィールと併せて、官能的ですらある。

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