【詳細データテスト】 BMW 3シリーズ PHEVばなれしたハンドリング ランフラットタイヤが玉にキズ

公開 : 2020.07.12 08:50

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

現行のG20世代で、330eは第2世代に入った。BMWのエンジニアたちは、プラグインハイブリッドシステムを既存モデルに組み込んだのではなく、設計当初から搭載を前提に開発された最初の3シリーズとしている。その差はさほど大きなものではないが、それでも重要な技術面の成果をいくつかもたらしている。

先代モデルと同じく、現行330eも184psの2.0Lガソリンターボをフロントに縦置きし、8速ATを介して後輪を駆動する。このエンジンとトランスミッションとの間に、交流同期モーターを挟み込むのも変わらない。エンジン/モーター/トランスミッションの接続には、電子制御クラッチを用いる。いわゆる1モーター2クラッチ式だ。

バッテリーは先代のトランク下から、後席下へと移設されて、重量配分の改善に貢献する。なお、燃料タンクはバッテリーのすぐ後ろに設置されている。
バッテリーは先代のトランク下から、後席下へと移設されて、重量配分の改善に貢献する。なお、燃料タンクはバッテリーのすぐ後ろに設置されている。

モーターは、最大113psの駆動力を発揮するが、これは先代比でだいたい25%の向上。単体での走行も可能で、その場合の最高速度は140km/hだ。エンジンも含めたシステムでの最高出力は293ps、最大トルクは42.9kg-mとされている。

大きく変わったのはボディ後方のレイアウトだ。先代のF30世代では、燃料タンクがリアシート下、7.6kWhのバッテリーとパワーインバーターがトランクの床下に置かれる、後付けハイブリッドにありがちな設計だった。

これを現行モデルでは全面的に見直し。12.0kWhに拡大した駆動用リチウムイオンバッテリーが後席下に置かれ、40Lのガソリンタンクはその背後、リアアクスルの真上に移設された。大きな重量物の配置が先代より改善され、ホイールベース内かそれに限りなく近い範囲に収められたのだ。

バッテリーの実用的な容量、つまりネット値は10.3kWhで、これは先代の5.4kWhからほぼ倍増。WLTCモードで36.8kmだったEV航続距離も、最大59.5kmへと延びた。

車両重量の公称値は1740kgで、ディーゼル+4WDの330d xドライブより80kg重い。それを支えるサスペンションは、フロントがストラット、リアがマルチリンクだ。

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