詳細データテストを振り返る 前編 ほかのテスターに試乗車をおすすめ 問われるプレゼントのセンス

公開 : 2021.12.25 12:05

AUTOCARの看板企画『ロードテスト』の一年を総括。例年は各テスターがお気に入りを試乗し、ディナーを囲んで議論しますが、今年は別のテスターにおすすめの試乗車をプレゼント。そのチョイス、相手のお気に召すでしょうか。

テスターたちのプレゼント交換

クリスマスとは、じつのところなんなのだろうか。一般的には、家族と過ごす時間だったり、お祭り騒ぎするイベントだったり、はたまた酔っ払うための口実だったりするのだろう。しかし、童心に帰りがちな時期でもある。

それも、このシーズンの本当の意義に関する最高のアイデアを、自分に正直に、声高に、そしてしばしばリストにして主張する期間限定の子どもたちがあちこちに出現する。回りくどい言い方をしてしまった。要は、プレゼントをねだるひとが増える時期だということだ。

歴史あるパブの駐車場で、試乗車のプレゼント交換。はたして、送るほうも送られるほうも満足する結果となるのだろうか。
歴史あるパブの駐車場で、試乗車のプレゼント交換。はたして、送るほうも送られるほうも満足する結果となるのだろうか。    LUC LACEY

さて、AUTOCARではこの時期、ロードテスターたちのクリスマスディナーが恒例行事となっている。その年の気に入ったクルマを集め、取っ替え引っ替え試乗し、どこがよかったか意見を出し合うのだ。その間、下働きのジュニアテスターたちが、サービスエリアであれやこれや飲み食いしてヒマを潰すのも恒例となっている。

そんな毎度おなじみになったイベントに、今年はひとひねり加えてよりクリスマスらしさを打ち出してみた。キーワードはプレゼント。冒頭の話題は蛇足の字数稼ぎではなく、ここにつながる伏線だったというわけだ。

これまでは、それぞれのテスターがお気に入りを持ち寄るスタイルだったが、今年はプレゼント交換方式とした。相手を決めて、乗ってもらいたいクルマを選ぶのだ。シークレットサンタ、というヤツだ。これには、望まないプレゼントが贈られるリスクも伴うのだが。

集合場所は英バークシャーのハンガーフォードにほど近い、ウィッカムのファイブベルズパブ。これはさまざまな要素を挙げ、ベン図的な選び方をした結果だ。写真映えする茅葺き屋根、トリップアドバイザーの高得点、ウエストバークシャーにある、絶景の中を縫う絶好の試乗コースからのアクセス、それらをすべて満たすのがここだった。

集めた8台のクルマはさまざまだが、ご時世と言おうか、そのうち3台がEVとなった。内訳は、ポルシェタイカン4S、フォード・マスタング・マッハE、そしてヒュンダイ・アイオニック5だ。それとは対照的に、MT車が2台。フォード・フォーカスSTエディションとダチア・サンデロがそれだ。

対照的といえば、人目を引かずにいないメタリックパープルがエキゾティックさを一層引き立てているアルピナB8グランクーペと、実用車然として目立たないボルボV90クロスカントリーの対比もそうだ。そして、もう1台は試乗前から王者の貫禄を見せる。キングスレー・カーズのULEZリボーンレンジローバー・クラシックである。マット・ソーンダースは、このクルマを参加させた理由をどう説明するのか。それも見ものだ。

ルールは簡単だ。まずはプレゼント贈呈式よろしくキーの交換を行い、託されたクルマを乗り回してくる。その後はパブに戻ってきてランチをとりながら、サンタのプレゼントについてあれこれ議論する。それだけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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