フィアット500 詳細データテスト 十分以上の動力性能とハンドリング 航続距離と快適性はほどほど

公開 : 2022.02.05 20:25

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

イタリアのブランドが、インフォテインメントシステムでライバルを凌ぐことはまずないと思われがちだが、フィアットは今回かなりいい仕事をした。

インターフェイスは、一見すると情報過多で、やや圧倒されてしまう。しかし、レイアウトにはすぐに慣れるし、そうなってみるとこれがじつにロジカルで、しかもレスポンスのよさにも満足できる。

イタリア車のインフォテインメントは物足りないことも多いが、この500のそれは悪くない。ロジックなレイアウトは慣れれば使いやすく、レスポンスも良好だった。
イタリア車のインフォテインメントは物足りないことも多いが、この500のそれは悪くない。ロジックなレイアウトは慣れれば使いやすく、レスポンスも良好だった。    WILL WILLIAMS

左側には常にショートカットが並び、ワイヤレス接続のApple CarPlay/Android Autoはスムースに作動する。ワイヤレス充電器も、ほとんどのグレードに設定されている。その代わり、USB端子は2口のみだ。

イコンとラ・プリマの両グレードには、10.25インチのディスプレイを搭載。いっぽうで、ベースグレードのアクションではラジオすら付かず、携帯電話のクレードルとアプリのみが備わる。発売時にちょっと試してみたところ、そのアクションの仕様も機能的には上々だった。ただし、850ポンド(約13.2万円)のラジオパックを追加すれば、7.0インチ画面付きにアップグレードできる。

燈火類

ほとんどのグレードがLEDランニングライトを備える500だが、標準装備のヘッドライトはハロゲン。LEDに慣れているとガッカリだが、ハロゲンとしてはまずまず。

ステアリングとペダル

センタートンネルがかなり張り出していて、フットレストはほとんど用を為さない。これは右ハンドル化の弊害としていの一番に気づくところだが、ペダルを右方向へずらしたことで多少は事態の改善をみている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事