「味変」したら覚醒しちゃったクルマ 28選 新しいエンジンで本気を見せた名車たち

公開 : 2022.12.31 19:05  更新 : 2022.12.31 19:46

ホンダシビック・タイプR

ホンダは1997年からシビック・タイプRを生産しており、2001年からは2.0Lエンジンを使うようになった。その後15年間、驚くべきパワーと8000rpmを大きく超える回転数、そしてVTEC可変バルブタイミングにより「3時のおやつ」から「地獄の激辛ラーメン」にモードが切り替わる迫力で知られてきた。

しかし、ホンダが2015年にターボチャージャーを追加したことで、状況は大きく変わる。エンジン回転数は比較的控えめな7000rpmに制限されたが、突如として中速域のパワーが豊富になり、ピーク時の数値は310psに跳ね上がった。さらに若干の調整を経て、最高出力は330psに引き上げられた。

ホンダ・シビック・タイプR(英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(英国仕様)

ランチア・テーマ

1984年に登場したランチア・テーマは、アルファ・ロメオ164、フィアット・クロマ、サーブ9000と同じプラットフォームを採用した高級セダンである。発売から2年後、ランチアはエンジンのシリンダーとバルブの数にちなんで「8.32」と名付けられた傑作仕様を導入する。

排気量2.9Lと、テーマに搭載されたエンジンの中では最大というわけではなかったが、圧倒的にパワフルであった。フェラーリ・ディーノV8から派生した由緒正しきユニットで、アルファ・ロメオの3.0L V6を40ps上回る215psを発生。兄弟車のトップ争いを制したのである。

ランチア・テーマ
ランチア・テーマ

ロータス・ヨーロッパ

1965年に発表されたヨーロッパは、市販のミドエンジン・スポーツカーとしては極めて初期のクルマである(最初ではない)。MRレイアウトを考慮し、従来のサプライヤーであるフォードからはちょっと距離を置いて、ルノー16のクレオンアルーエンジンとトランスアクスルを使用している。

トランスアクスルは最後まで使われ続けたが、エンジンは途中からフォードベースのツインカムに変更された。これにより出力は105ps、後に126psまで向上し、当初よりはるかに高い加速性能を持つようになった。

ロータス・ヨーロッパ
ロータス・ヨーロッパ

マツダCX-7

パワフルなガソリンエンジンを、低出力のディーゼルに置き換えることは、一見ネガティブな出来事のようにも思われる。しかし、英国仕様のCX-7の場合は正しい選択だった。

大型SUVのマツダCX-7には、高性能なマツダスピード・アテンザやマツダスピード・アクセラと同じ最高出力238psの2.3L直4ガソリンエンジンが搭載されている。欧州仕様ではこれと並んで、2.2L直4ターボディーゼルも用意されていた。しかし、英国では日本と同じように前者しか設定されていなかった。

マツダCX-7
マツダCX-7

2.3Lガソリンは、スポーティだが経済性に難があり、英国販売の足を引っ張っていた。そのため、発売から2年後の2009年に英国仕様のラインナップから廃止され、欧州仕様と同じ2.2Lディーゼルが導入される。価格は上がり、出力も85psほど低下してしまったが、年間190ポンドの軽減税率の対象となり、公式燃費も4km/l改善された。その結果、これまでほとんど売れなかったクルマが、市場に見合った商品に生まれ変わったのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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