トヨタbZ4X 詳細データテスト 及第点だが花マルなポイントはなし 本命はステア・バイ・ワイヤか 

公開 : 2023.01.28 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

ハンドリングに明らかに見られる穏やかな有能さは、乗り心地にもあらわれている。トヨタは、万能性を求めたSUVのサスペンションをいたずらに硬くすることはしなかった。また、20インチホイールにさえ、ハイトのある50扁平タイヤを履いている。

結果として、最悪の路面不整でも、車内へは伝えてこない。完璧とはいえないし、バンプによってはわずかながら跳ねるように感じられることもある。しかし全体的には、このクラスでも乗り心地がいいほうだ。

静粛性はまずまずだが、それ以上に乗り心地がいい。ロードノイズよりも、バンプのほうがうまく遮断できている。
静粛性はまずまずだが、それ以上に乗り心地がいい。ロードノイズよりも、バンプのほうがうまく遮断できている。    MAX EDLESTON

ステアリングコラムを、メーターが見えるように低くセットして運転している限りは、ドライビングポジションも快適だ。着座位置は比較的高い。シートは幅広く、かなりソフトで、調整位置も数多い。

静粛性は、とくに強みとはいえない。ロードノイズと風切り音のミックスは、スコダ・エンヤックiVと比べ、80km/hで1dBA、113km/hで2dBA大きい。ありがたいことに、不快な反響はしない。そこは荷室が反響室のようになってしまうテスラモデルYとは異なる点だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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