フォルクスワーゲン・マルチバン 詳細データテスト サイズのわりにいい走り 広いが反響音が気になる

公開 : 2023.03.18 20:25  更新 : 2023.04.04 01:05

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

このセグメントは、ライバルが多いわけではない。ワゴンやSUVより広いスペースがほしいから選ぶ、という程度のジャンルだ。

しかし、プラグインハイブリッドにはありがちだが、この種のパワートレインから得られるものは、どういう使い方をするかに依存するところが大きい。

マルチバンは、このカテゴリーの主要なモデルの中でもっとも残価率のいいクルマだ。もっとも、比較対象はそれほど多くはないが。
マルチバンは、このカテゴリーの主要なモデルの中でもっとも残価率のいいクルマだ。もっとも、比較対象はそれほど多くはないが。

充電ポートは右フロントフェンダーにあり、7kW充電器で数時間かければエンプティからフル充電できる。そこからEV走行できる距離は、およそ37kmとなる計算だった。しかし、2月に48〜80km/hの制限速度が入り混じる郊外路で走らせると、23km弱でエンジンが始動してしまった。

バッテリーの充電が尽きると、燃費は12.4〜14.2km/L程度となるはずだ。テスト時の平均値は12.9km/Lだった。しかし、フル充電してハイブリッドモードを使えば、おそらくもっと改善されるはずだ。その場合、バッテリーが尽きるまでの距離は72kmを超え、燃費は19.5km/Lほどまで向上する。

電気もタダではないが、安価に使えることはあり、再生可能エネルギーでの発電も進みつつある。それも含めて、PHEVに向いているのは、市街地や郊外で使うことの多いユーザーだ。

税金面も考えるとCO2排出量も気になるところだ。カタログ値は、PHEVは41〜43g/kmで、2.0Lディーゼルの170〜175g/kmや1.5Lガソリンの180〜185g/kmに対してかなりアドバンテージがある。

ちなみに、顧客満足度や信頼度の調査のほとんどで、フォルクスワーゲンはだいたいランキングの中間くらいに位置する。また、サービスセンターは、商用車でも乗用車のそれに見劣りすることはない。そしてマルチバンの残価予想は、主な競合モデルを上回っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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