レクサスRX 詳細データテスト 高級で快適 パワートレインは優秀 シャシーのスポーティさは不足 

公開 : 2023.04.02 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

RXのフロントシートの座面は、やや高い程度なので、多くのひとが楽に乗り込めるだろう。よじ登るような感覚はないはずだ。前後ともレッグルームは広いが、ヘッドルームは余裕たっぷりというわけではない。それでも、後席でさえ不足を感じたテスターはいなかった。

Fスポーツ仕様はレザーとスエードのスポーツシートで、横方向のサポートはまずまず。しかし、調整機能は物足りない。タクミ仕様なら座面長の調節が効くのだが。また、部分的にちょっと小さいというテスターもいた。

シートや衝撃吸収性には物足りなさがあるものの、静粛性には優れ、長距離走行でも快適性は高い。
シートや衝撃吸収性には物足りなさがあるものの、静粛性には優れ、長距離走行でも快適性は高い。    MAX EDLESTON

にもかかわらず、長距離での快適性はかなりいい。また、前後とも視界良好だ。ドアを閉める際の静かさと衝撃の抑えぶりに衝撃を受けたという声もあった。風切り音もロードノイズもきっちり抑えられている。

テスト車の乗り心地は、きつめのエッジや小さな路面不整をみごとにいなすとはいえないもので、うるさい衝撃音が出ることもあった。それでも、113km/h巡航での車内ノイズは65dBAで、2022年にテストしたレンジローバー・スポーツD300を、わずかながら凌いでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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