レクサスRX 詳細データテスト 高級で快適 パワートレインは優秀 シャシーのスポーティさは不足 

公開 : 2023.04.02 20:25  更新 : 2023.04.04 02:06

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

このレクサスRXのようなクルマでは、ガソリンハイブリッドがどれほどの走りの魅力をもたらすか再定義するミッションが、どんな場合も不利を抱えてスタートすることになる。これはフルサイズとも言える、全長4.9mでウェイトは2.1tに届こうという5座SUVだ。また、レクサスとしてはかなりの数を売るクルマで、斬新さや主張を強調する特別なモデルというわけでもない。

レクサスではNX、トヨタではRAV4などと同じように、プラットフォームはTNGA−Kだが、ホイールベースが長く、広範囲にわたって補強が加えられたバージョンだ。全長は従来とほぼ変わらないまま、ホイールベースが60mm伸びて、キャビンが広くなっている。

ホイールは、エントリーグレードが19インチ、タクミパッケージは21インチ。Fスポーツは、このマットブラックの21インチを履く。
ホイールは、エントリーグレードが19インチ、タクミパッケージは21インチ。Fスポーツは、このマットブラックの21インチを履く。    MAX EDLESTON

また、先代モデルよりロー&ワイドで、ルーフだけでなく、ベルトラインやドライバーのヒップポイント、重心高も低くなっている。装備内容の近いモデル同士の比較では、90kg程度軽量になっているが、これはアルミのボンネットやフロントフェンダーのような軽量パーツの採用によるものだ。

エクステリアでは、新解釈されたスピンドルのモチーフを導入。ダブルテーパーのフロントグリルは、上部がボディワークに溶け込んでいる。とはいえ、それ以外はかなり見慣れたデザインだ。

500hは272psの横置き2.4L直4ターボガソリンに、87psの電気モーター兼ジェネレーターと6速ATを組み合わせてフロントに搭載。リアモーターの出力は103psで、350hや450h+のそれよりパワフルだ。

モーターに電力を送るのは、新型の低抵抗ニッケル水素バッテリーだ。リアシートの下に配置され、充放電ともに急速対応だ。RX500hのシステム全体でのパワーとトルクは、371ps/56.1kg−m。ポルシェカイエンレンジローバー・スポーツのオーナーを呼び込むほどではないが、視野には入るだろう。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクで、ステアリングフィールや横方向のホイールの位置決めの改善を意図している。スプリングは車高固定式のスティールコイルで、ダンパーはアダプティブ可変式が標準装備。Fスポーツ専用チューンで、RX500h専用品でもある。

RX500hには、四輪操舵も標準装備。後輪のカウンターステア角は、最大4度まで拡大された。ブレーキはバイワイヤシステムで、大径ディスクと強化キャリパーを組み合わせたFスポーツ仕様だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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