フォルクスワーゲンID7 詳細データテスト クラス屈指の広さと快適さ 適度な走り 質感は価格相応

公開 : 2024.04.06 20:25

走り ★★★★★★★★☆☆

大型サルーンのパフォーマンスに関して、疑問となるのは、単にどれくらいあるのかではなく、どれだけ苦労なく使えるのかだ。ID7の場合、数値的にはなかなかのものだ。55.6kg−mというトルクは、フェートンに積まれた6.0LのW12より0.6kg−m低いだけだ。しかも、2172kgの車両重量は、かつての12気筒サルーンより250kgほど軽い。トンあたり25.6kg−mはバカにしたものではない。最新のポルシェカイエンのV6モデルをも凌ぐのだ。

法定速度まで音もなく到達するのも驚くことではない。実際、中速域の加速はみごとだ。48−113km/hは5.1秒で、よりパワフルだがトルクは低いBMW i5 eドライブ40より0.7秒遅いだけだ。

かつてのW12エンジンに迫るトルクで、余裕ある動力性能を発揮。スロットルレスポンスは、走行モードにより明確に変わる。
かつてのW12エンジンに迫るトルクで、余裕ある動力性能を発揮。スロットルレスポンスは、走行モードにより明確に変わる。    JACK HARRISON

スロットルのレスポンスは実用的な調整が効く。コンフォートモードでは、パワフルだがゆったりしたガソリンエンジンのような感じ。対するスポーツモードでは、精密でばらつきのないデリバリーを見せる。

いっぽうで、フォルクスワーゲンはコースティングからワンペダル運転まで切り替えできるような回生ブレーキのコントロールを用意していない。可能なのは、コーナーやジャンクションの手前で効きすぎる傾向を抑えること。また、コラムレバーのシフトセレクターでBモードを選ぶと、効きを強めることもできる。

ブレーキペダルの不自然なフィーリングも増してしまうが、制動力には問題ない。113km/hからの停止は、小型スポーツセダン並みだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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