ミニ・カントリーマン 詳細データテスト ミニらしく活発 SUVらしからぬタイトな挙動 車体は大柄

公開 : 2024.04.27 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

先代比で130mm長く、60mm背が高い3代目カントリーマンの全長は4444mm、全高は1661mm、ミラーを含む全幅は2069mm。いまや日産キャシュカイより大きいサイズは、BセグメントではなくCセグメントの域に達している。

もはやミニとは言えない大きさだと思うかもしれないが、デザインは納得できるのではないだろうか。これだけ大柄でも、カントリーマンはミニらしさを感じさせる。ウエストラインの高さやボディの長さはこれまでにないほどだが、その比率はほぼ適切で、少なくともスタイリング的にいえば見た目は自然だ。

ホイールは17~20インチの設定で、切削加工やブラック塗装が用意される。この19インチはカレイドスポークと銘打たれている。
ホイールは17~20インチの設定で、切削加工やブラック塗装が用意される。この19インチはカレイドスポークと銘打たれている。    MAX EDLESTON

先代より角張っていて、ファンシーさが影を潜めたように感じられるディテールと、スマートになったボディ表面を持つ新型カントリーマン。ルックスはなかなかハンサムだ。ボディ後半の長さは、やや不恰好に思えるかもしれないが。

プラットフォームは1シリーズや2シリーズ・グランクーペ、2シリーズ・アクティブツアラーに用いるもののアップデート版で、ICEとBEVの両方に対応。BMWでいえば、X1やX2が同様だ。

テストするカントリーマンCは、ラインナップのボトムエンドで、BMWグループが長年使い続けている1.5L直3ターボを48Vマイルドハイブリッド化して搭載。最高出力は170ps、最大トルクは28.6kg-mを発生する。トランスミッションは7速DCTのみの設定で、有償オプションでシフトパドルを装備できる。駆動方式はFFだ。

その上位には、2.0Lターボが2機種を設定。218psのカントリーマンSと、300psのカントリーマンJCWで、いずれもパートタイム4WD。BEVモデルは2機種で、204psで前輪駆動のカントリーマンEと、313psで2モーター式4WDのカントリーマンSE。どちらも実用容量が64kWhをわずかに切るバッテリーを積み、航続距離は最高で460kmに達するとされている。

先代やプラットフォームを共用するモデルと同じく、サスペンションは四輪独立。パワフルなモデルには、ローダウンスプリングと周波数選択式ダンパーが装備される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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