ポルシェ・マカン・エレクトリック 詳細データテスト クラス最速レベル ブレーキとシャシーに疑問符

公開 : 2025.03.15 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

マカンにはシングルモーターの素のマカンのほか、デュアルモーター3車種が設定されるという。4、4S、ターボだ。おそらく今後は、GTSやターボSといった追加車種が登場するだろう。パワートレインのバリエーションと、ポルシェお得意の数限りないオプションによって、最廉価仕様と最上級仕様の価格差はとてつもなく大きくなるはずだ。本体価格を見ると、シングルモーターのマカンは6万8500ポンド(約1315万円)、ターボは9万6900ポンド(約1860万円)だ。

金に糸目をつけずオプションを選べば、あと3万ポンド(約576万円)は優に乗せられるだろう。大袈裟に見えるかもしれないが、ポルシェのパーソナライズメニューを考えればありうる話だ。標準仕様のマカンは装備が簡素だが、そのぶんライバルより安価だ。グレードは分かれていないので、好みのオプションを追加していかざるを得ない。

ルーフがスロープしているにもかかわらず、後席のスペースに不足はない。後席用のエアコンはオプションだ。
ルーフがスロープしているにもかかわらず、後席のスペースに不足はない。後席用のエアコンはオプションだ。    MAX EDLESTON

残念だったのは、マカン・ターボ・エレクトリックのエネルギー効率だ。テスト中に4km/kWhを超えることはめったになかった。平均は3.7km/kWhで、冬だと352kmしか走れない。

いっぽう、充電は早い。Q6 E-トロンと同じバッテリーと最大充電能力であることを考えると、スペック表の数字は理想論に近いと思っていた。ところが、かなり長い間200kW以上を維持し、これまでのテスト車で3番手につけた。ちなみに、上位2台はどちらもタイカンだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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