A110の5座SUV版? アルピーヌA390 プロトタイプ 想像超えの軽快感 総合出力は400-500psか

公開 : 2025.05.12 19:05

A110を彷彿とさせるとまではいえない?

操縦性は、A110を彷彿とさせるとまではいえないかも。乗り心地は硬めで、ボディはしっかり路面へ押し付けられたような印象だった。

ドライブモードにはノーマル、スポーツ、トラック(サーキット)の他、独自に登録できるインディビジュアルも用意。ただし、パワー分配やサスペンションは変更できない。技術者は、過度な変更でバランスが崩れるより、多少の制限はあった方が良いと話す。

アルピーヌA390(プロトタイプ)
アルピーヌA390(プロトタイプ)

ノーマル・モードでも、グリップ力は見事。濡れた路面で攻め込むと、穏やかにアンダーステアへ転じ、スタビリティ・コントロールが滑る前に抑え込む。スポーツではステアリングが僅かに重くなり、介入が遅くなる。変化度は小さいが。

タイヤは、グレードに応じて20インチのミシュラン・パイロットスポーツEVか、21インチのパイロットスポーツ 4Sが組まれる予定。後者を選ぶと、航続距離が約16km短くなるが、操舵感は鮮明になる。

後輪駆動へ近い体験 想像以上の軽快感

サーキット・モードでは、後輪駆動へ近い体験を得られる様子。パワーオンでライン調整でき、アクセルペダルを蹴飛ばすとテールを流せる。タイヤの違いも如実に現れ、パイロットスポーツ 4Sの方が好印象だった。

ただし、挑発的な入力へシャシーは応えてくれるものの、完全に意のままというわけではない。スタビリティ・コントロールはオフにできるが、四輪駆動システムが挙動を先読みし、意図しないタイミングで鎮められてしまう。

アルピーヌA390(プロトタイプ)
アルピーヌA390(プロトタイプ)

もちろん、A390は大きなA110ではない。それでも、2tはあるであろう電動クロスオーバーとして、想像以上の軽快感はある。合計3基の駆動用モーターが叶える身のこなしの実力を、今回は確かめられなかったけれど。

少なくともテストコースでは乗り心地が良く、濡れた路面で運転を楽しめた。アイオニック 5 Nのように、躍動感から来る興奮まではなかったとしても。現実的な環境で、完成したA390を確かめられる日を楽しみに待とう。

◯:興味深い電動パワートレイン 奥行きのある操縦性 直感的で感触の濃いステアリング
△:まだ不明な点が多い 期待するほど、透明度の高い操縦性ではないかもしれない

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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