見るだけで楽しいフォードのコンセプトカー 50選(前編) 華々しい「夢」のクルマたち

公開 : 2025.06.14 18:25

ギア・ブレッツァ(1982年)

ブレッツァ(Brezza、イタリア語で「そよ風」の意味)は、経済的な2シータースポーツカーのコンセプトだった。1.6Lの4気筒CVHエンジンをミドシップに搭載していたが、このエンジンは欧州初の前輪駆動車であるエスコートに搭載されたほか、フィエスタやシエラにも搭載された。

空気抵抗を最小限に抑えるため、ブレッツァは丸みを帯びたノーズ、リトラクタブルヘッドライト、フラットなガラス、後輪フェアリング、「パーシャル・ベリーパン」と呼ばれるデザインを採用した。

ギア・ブレッツァ(1982年)
ギア・ブレッツァ(1982年)

ギア・バルケッタ(1983年)

ギアと欧州フォードが共同で設計し、ギアが製作したバルケッタ。前年のブレッツァよりも従来型に近い形状で、前輪駆動のフィエスタのプラットフォームをベースとしていた。エンジンは、フィエスタのホットハッチ版であるXR2にも搭載されていた 1.6L CVだった。

この2シーターロードスターが市販車に直接つながることはなかったが、20年後にコンセプト的によく似たスポーツKa(SportKa)が発売された。その頃には、フィアットもハッチバックのプントをベースにしたバルケッタを発表していた。

ギア・バルケッタ(1983年)
ギア・バルケッタ(1983年)

プローブIV(1983年)

フォードは1980年代後半にプローブという市販車を発売したが、それ以前にも、一連のコンセプトカーにこの名称を何度か使用していた。プローブIVは、1.6LのCVHターボエンジンを70度傾けて搭載し、ボンネットの高さを可能な限り低くすることで、Cd値0.15という驚異的な空力性能を実現した。

エンジンはフロントに搭載されていたが、空気の流れを乱すグリルを嫌って、ラジエーターは後部に配置された。後輪のホイールハウス後部の通気口からファンによって空気を吸い込み、エンジンに送り込んだ。

プローブIV(1983年)
プローブIV(1983年)

クイックシルバー(1984年)

フォードおよびリンカーンの両方から発表された高級セダンコンセプトカー、クイックシルバーは、ミドシップエンジン車でありながら5人の大人が乗れる広い車内空間を実現可能であることを示すものだった。3.0L V6エンジンを横置きにすることで、車体の全長をあまりとらないようにした。

このコンセプトカーを設計したギアは、空力性能に特に注意を払い、「まったく新しいメソッド」と称するフラッシュ式ドアウィンドウを開発した。

クイックシルバー(1984年)
クイックシルバー(1984年)

マヤ(1985年)

マヤ(Maya)は、ヘリテージ・ヴォールトでは1985年のクルマとして紹介されているが、実際には前年のトリノ・モーターショーでデビューした。2シーターのミドシップコンセプトだが、ギア社ではなくイタルデザイン社によって製作されたものであり、1日50台の生産が検討されていた。

その計画は実現しなかったが、1985年にイタリデザインは2つの後継車の製作を依頼された。比較的ソフトな印象のマヤII ESと、3.0L V6エンジンにターボチャージャーを装備したマヤII EMだ。

マヤ(1985年)
マヤ(1985年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

見るだけで楽しいフォードのコンセプトカーの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事