自動車専門誌が選ぶ、21世紀を代表するクルマ 25選(後編) 2011~2025年
公開 : 2025.10.26 11:45
2017年:テスラ・モデル3
テスラの物語は静かに始まった。メディアなどがよく使うテストコースをロードスターのプロトタイプが疾走する姿は、当時珍妙なものとして見られていた。その後、信頼性を高めたモデルSが登場し、さらにガルウィングドアのモデルXが続いた。それでもテスラは依然として自動車産業の端っこに留まっていた。
そんな状況を変えたのはモデル3だ。大量生産の方法を確立したテスラが、ついに普及向けのクルマを生み出したのだ。

ディーゼルエンジンの不正問題が発覚した一部のメーカーは苦境に立たされていた。そんな中、テスラは清廉潔白なシリコンバレーのスタートアップとして評判を築き、当時それほど有名ではなかったカリスマ的リーダーを擁し、急速充電ネットワークのスーパーチャージャーへの投資によって競争力を高めた。モデル3の成功は必然だった。
2018年から2020年にかけては世界一のEV販売台数を記録したが、その後王座をモデルYに譲った。紆余曲折あったものの、EVの普及を牽引したモデル3は、今世紀を代表する重要なクルマの1つとして歴史に名を残すだろう。
2018年:ジャガーIペイス
今のジャガーが再び「大胆な新時代」の幕開けを迎えようとしているとは、にわかには信じがたい。何十年ぶりとなる異色で革新的な新型車Iペイスの発売が、まだ最近のことのように感じられるからだ。
初公開から8年経った今でも、Iペイスのスペックは特に時代遅れには感じられない。公称航続距離約480km、100kWの急速充電対応、最高出力400ps、0-100km/h加速5.0秒未満という性能は、今日の主流のEVと比べても遜色ない。

EVが退屈な妥協の産物ではなく、魅力的で高性能であることを証明する決定的なモデルであった。当時の米国の同世代車とは異なり、ガルウィングドアや「おならモード」といった派手な仕掛けでアーリーアダプターを惹きつけることはなかった。
むしろIペイスは、EVであるということ自体が付加価値となる、上品なプレミアムSUVだ。車内は開放感がある豪華な造りで、キャブフォワードの印象的なシルエットは格式を感じさせ、同クラスのライバルをはるかに凌ぐ魅力的な走りを誇った。ジャガーは競合他社の一歩先を行っていたのだ。この成功をもっと早く、長く継続できていれば、今まさに訪れる「大胆な新時代」を必要とせずに済んだかもしれない。




































