最もバッジエンジニアリングされたクルマ 36選(後編) 兄弟車はついに「2桁」へ

公開 : 2025.11.01 11:45

シボレー・ベンチャー(1997年) – 7車種

これもGMのバッジエンジニアリングの典型例だ。1997年に登場したこのミニバンは、驚くほど多様な名称で販売されている。米国市場向けにはシボレー・ベンチャー、ポンティアック・モンタナおよびトランススポーツ、オールズモビル・シルエット(写真)が存在した。中国ではビュイックGL8として販売され、欧州市場ではオペルまたはヴォグゾール・シントラとして展開された。

シボレー・ベンチャー(1997年) - 7車種
シボレー・ベンチャー(1997年) – 7車種

スズキスイフト(1988年)- 8車種

初代スイフト(日本名:カルタス)はGM傘下のさまざまなブランド名でも販売されたが、2代目モデルは次元が違う。2ドア/4ドア・セダン、3ドア/5ドア・ハッチバックが展開され、カナダ、インドネシア、ベネズエラなど世界11か所で生産され、スズキだけでも6つの名称を駆使していた。

これに加えて、マルチ・スズキ1000(インド)、長安スズキ・リンヤン(中国)、シボレー・スプリント/ポンティアック・ファイアフライ(カナダ)、シボレー・スイフト/フォルサ(ラテンアメリカ)、ジオ・メトロ(米国、写真)、ホールデン・バリーナ(オーストラリア)、スバル・ジャスティ(欧州)としても販売された。生産が最終的に終了したのはパキスタンで、2016年のことだった。

スズキ・スイフト(1988年)- 8車種
スズキ・スイフト(1988年)- 8車種

シボレー・スパーク(2009年) – 8車種

シボレー・スパーク(写真)は、シボレー・ビートやホールデン・バリーナ・スパークなど多数の名称を持ち、後継車もオペル・カール、ホールデン・スパーク、ヴォグゾール・ビバとして販売された。

初代モデル(1998年)はさらに複雑で、大宇、ポンティアック、FSO、シボレー、フォルモサなどさまざまなバッジを装着していた。

シボレー・スパーク(2009年) - 8車種
シボレー・スパーク(2009年) – 8車種

タルボ・ホライゾン(1978年) – 9車種

1978年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞車だが、さほど記憶には残っていないのではないだろうか。欧州ではクライスラー、タルボ、シムカのエンブレムを装着。米国ではプリムス(ホライゾン=写真、スキャンプ、ツーリスモ)とダッジ(チャージャー、オムニ、ランペイジ)のブランドで販売された。

タルボ・ホライゾン(1978年) - 9車種
タルボ・ホライゾン(1978年) – 9車種

オペル・カデット(1984年) – 9車種

カデットの歴史は1936年まで遡るが、1979年に前輪駆動モデルが登場するとGMの目に留まった。シボレー・カデット、ポンティアック・ルマン、パスポート・オプティマとして販売され、さらに改良後は大宇(シエロ、ルマン、ネクシア、レーサー)や、ヴォグゾール(写真)およびオペル(アストラ)のバッジも与えられた。

オペル・カデット(1984年) - 9車種
オペル・カデット(1984年) – 9車種

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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