「まさに人馬一体」 マツダ、初のEV専用モデルのテスト開始 自社開発で2027年導入へ

公開 : 2025.11.05 18:05

マツダは2027年導入予定のEV専用モデルのテストを開始しました。MX-30など、これまでのEVは内燃機関プラットフォームや他社のモデルを流用していましたが、今回初めて自社開発に踏み切りました。

走行性能は「非常に優秀」

マツダは、同社初の専用設計EVのプロトタイプテストを開始した。2027年の発売を目指している。

マツダはEV専用プラットフォームを量産車に採用していない、数少ないメーカーの1つだ。

マツダはEV専用プラットフォームの自社開発に踏み切った。
マツダはEV専用プラットフォームの自社開発に踏み切った。

初の市販EVである『MX-30』は内燃機関車『CX-30』のプラットフォームを流用し、新型セダン『6e』とSUV『EZ-60』は中国の合弁パートナーである長安汽車のプラットフォームをベースにしている。

しかし、今後数年間で1.5兆円規模の電動化戦略を推し進めるマツダは、EV専用プラットフォームの開発を独自に進めている。以前にも、2027年にEV専用モデルを発売する計画を発表していた。

マツダの最高技術責任者(CTO)である梅下隆一氏はAUTOCARの取材に対し、代替燃料や新型ハイブリッド・パワートレイン(ロータリーエンジンと電気モーターを組み合わせたPHEVなど)への投資を続ける一方、フル電動モデルが不可欠だと認識しており、次世代EVには専用プラットフォームを採用する方針だと語った。

「当社が設立した電動化事業本部『e-MAZDA』は素晴らしい仕事をしています」と梅下氏は述べた。

「わたしはすでに試作車を運転しましたが、まさに『人馬一体』のクルマだと言えます。これは、クルマとドライバーの調和を目指すマツダのキーコンセプトです。非常に優れた走行性能を備えており、マツダの製品としてふさわしいEVだという自信があります」

梅下氏は、EVプラットフォームの投入において競合他社に遅れを取っていることを認めつつも、既存のMX-30は「優秀なエンジニア、経験豊富なエンジニアが当社に多くいることを示しており、その点で市場に遅れを取っているとは思いません」と述べた。

梅下氏は現在開発中のモデルの詳細については言及を避け、普及モデルとなるか少量生産モデルとなるかはまだ決まっていないと述べた。

「市場と規制次第です。規制が(EV比率の向上を)求めるなら、普及向けのモデルとなります。規制が緩和されれば、生産台数の制約も緩和できます」

マツダは最近、専用EVシリーズの開発コストとリードタイムを大幅に削減する計画を示した。コスト効率の高いシミュレーション研究開発、AI開発ツール、そしてパートナーサプライヤーを活用することで支出削減を目指す。

同社は「ライトアセット戦略」への移行により、同じリソースで生産性を3倍に向上させるとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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