トレンドは電動化とソフトウェア 自動車の「プラットフォーム」って一体何?(後編) 押さえておきたい最新動向
公開 : 2026.06.16 17:25
ソフトウェアが車両を定義するSDV
最新のトレンドは、おそらく「ソフトウェア定義車両(SDV)」だろう。例えば、従来のハードウェア部品ではなく、電子制御によってシャシーの特性や走行挙動をコントロールするものだ。
部品大手のZFは、同社の『CubiX』ソフトウェアプラットフォームが「シャシー開発におけるパラダイムシフト」をもたらすと述べている。これまでエンジニアは部品によってシャシー特性を定義してきたが、今ではその逆になっているからだ。電子機能が部品を制御することで、シャシーの挙動を制御するのである。このソフトウェアプラットフォームは特定のハードウェアに縛られることもなく、ZF製だけでなくサードパーティ製のコンポーネントとも併用可能だ。

自動車の機能がドライブバイワイヤ方式に移行するにつれ、こうした集中型電子制御プラットフォームは今後、大きな役割を果たすことになるだろう。自動車の製造と技術を、数十年前の姿とは比べ物にならないほどに変えてしまうかもしれない。
以下、知っておきたいプラットフォームを3つ紹介しよう。
1. VW モジュラー・トランスバース・マトリックス(MQB)
フォルクスワーゲン・グループは、『MQB』プラットフォームとその採用第1弾となる車両の開発に推定500億ポンド(約10兆円)を投じた。その先駆けとなったのが、2012年に登場した7代目フォルクスワーゲン・ゴルフだ。
この投資は十分に報われたと言える。極めてモジュール性の高いMQBの展開により、生産工程をシンプルにすることができ、グループ各ブランドにおいて、サイズが大きく異なる70車種以上で採用されている。現在までに、このプラットフォームを用いて3200万台以上の車両が製造されている。

主要モデル:フォルクスワーゲン・ゴルフ、セアト・イビサ、アウディTT、フォルクスワーゲン・ティグアン、スコダ・スパーブ、スコダ・コディアック、クプラ・フォーメンター
2. ルノー・日産 コモン・モジュール・ファミリー(CMF)
『CMF』は、ルノー・日産アライアンスが全盛期にあった2013年に導入された。実際にはプラットフォームのファミリーであり、CMF-A(ルノー・クウィッドなどのAセグメント車に使用)からCMF-C/D(ルノー・ラファール、日産キャシュカイなど多数に使用)まで多岐にわたる。
また、2つの電動版も存在する。CMF-B EV(ルノー5 Eテックや日産マイクラなどに採用)とCMF-EV(ルノー・メガーヌEテックや日産アリアなどに採用)だ。ルノーはCMF-B EVの開発を主導し、日産はCMF-EVに注力した。

これらのプラットフォームの名称についても混乱が多い。ルノーはそれぞれ『Amprスモール』と『Amprミディアム』と改名したが、現在はさらに『RGEVスモール』と『RGEVミディアム』に変更している。一方、日産は依然として元の名称(CMF)を使用している。
主要モデル:ルノー・クリオ、ルノー5 Eテック、日産ジューク、日産キャシュカイ、三菱アウトランダー、ルノー・セニックEテック、アルピーヌA390




























