フォルクスワーゲン、テスラ、BMWのベスト・セダン 2026年欧州版 最も注目すべきEV 10選(後編) 自分に合ったモデルの選び方は?

公開 : 2026.06.17 17:25

テストと選定方法

AUTOCAR UK編集部は現在英国で販売されているすべての新型EVを網羅的にテストしている。このリストに掲載されている各モデルも、すべて試乗や測定を行ったうえで評価している。

リストを作成するにあたり、幅広い購入者のニーズを想定し、多岐にわたるカテゴリーやセグメントから最適なモデルを選定した。例えば、最高のパフォーマンスを誇るモデルはヒョンデアイオニック5 Nであり、一方、日常使用に最適なのはキアEV3だ。

AUTOCAR Uk編集部は全車両を試乗し、細部の造り込みを検証した。
AUTOCAR Uk編集部は全車両を試乗し、細部の造り込みを検証した。

その他、以下の点についても評価を行った。

航続距離

EVにはさまざまな形状やサイズがあるが、航続距離は重要なセールスポイントだ。公平な評価を行うため、各モデルの公式WLTP航続距離と実走行距離を比較し、高速道路、田舎道、都市部など、多様な環境で走らせた。また、エネルギー消費効率(km/kWh)も測定した。

乗り心地と快適性

さまざまな道路状況において、乗り心地、ボディコントロール、ステアリングのレスポンスを評価した。さらに、室内の快適性、各種速度域での静粛性も分析した。

走行性能

加速性能とブレーキ性能を、満員時(乗員と荷物)と空車時の両方で評価した。

室内空間

前後席のヘッドルームとレッグルームを測定し、室内寸法やトランク容量も考慮した。また、チャイルドシートの取り付けのしやすさも評価した。

テクノロジー

車載インフォテインメント・システムについて、反応速度や操作性をテストし、スマートフォンとのペアリングの容易さも評価した。レーンキープアシストなどの先進運転支援システム(ADAS)については、その統合性を評価した。

よくある質問(FAQ)

公式WLTP航続距離と実走行の航続距離の違いは?

航続距離のメーカー公称値は、欧州ではWLTPというテストサイクルに基づいて算出される。これは、理想的な環境条件下で行われる標準化された実験室試験である。つまり、メーカー公称値は、実際の航続距離よりも長い場合が多いということだ。通常の走行条件では、地形、交通の流れ、天候など、考慮すべき要素がいくつかある。冬場には、EVの実走行距離は一般的に10~20%減少する。

英国の公共充電器でEVを充電するにはどれくらい時間がかかる?

主に、充電器の出力と、お使いのEVが対応可能な最大充電速度という2つの要因に依存する。ほとんどのEVは400Vの電気アーキテクチャーを採用しており、最大充電速度は50kWから250kWまで幅広い。したがって、10%から80%までの急速充電には通常30~35分かかる。上級モデル(ヒョンデ・アイオニック5 Nやポルシェタイカンなど)は800Vの電気アーキテクチャーを採用しており、270kWから450kWというはるかに高い充電速度を誇る。適切な充電器を使えば、20分未満でバッテリーを満充電にできる。

EVの維持費はガソリン車やディーゼル車よりも安い?

WLTP航続距離は、実際の使用環境での航続距離よりも大きくなちがちだ。
WLTP航続距離は、実際の使用環境での航続距離よりも大きくなちがちだ。

(英国の場合は)安いと言えるが、これは自宅で充電するか、公共の充電ネットワークを利用するかに大きく左右される。自宅にウォールボックス充電器があれば、kWhあたりの単価が大幅に安い(約5~9ペンス=約10~19円)EV専用電気料金プランを利用して、夜間に充電することができる。

したがって、フル充電にかかる費用は約5~10ポンド(約1070~2140円)となり、ガソリン(1Lあたり約340円)や軽油(1Lあたり約405円)を満タンにするよりも大幅に安くなる。もちろん、充電で得られる航続距離も要因の1つだが、節約効果は期待できる。しかし、公共の充電ネットワークに頼る場合、kWhあたりの単価ははるかに高くなるため、EVの充電にかかる総費用は内燃機関車の給油費用と大差ない。公共充電事業者の料金設定はさまざまで、例えば、Gridserve社は現在1kWhあたり82~89ペンス(約176~191円)、MFG社は79ペンス(約170円)だ。

英国のEV補助金(ECG)の対象となるモデルは?

英国政府はEVシフトを加速させるため、EV補助金(ECG)制度を通じて、新車の購入に際して1500ポンド(約32万円)または3750ポンド(約80万円)の補助金を支給している。低価格帯のモデルを対象としており、3万7000ポンド(約795万円)未満、場合によっては4万2000ポンド(約900万円)の車両のみに適用される。

メーカーには実走行距離、包括的な持続可能性、長期保証など、いくつかの厳しい基準が設けられている。対象となるかどうかの判断には、バッテリー製造や組立ラインからのCO2排出量を含む、車両生産時のカーボンフットプリントも考慮される。特に環境負荷が低いとされるモデルのみが、全額3750ポンドの補助の対象となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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