初代ロータス・エリーゼを手掛けた人物 40年変わらぬジュリアン・トムソン氏の情熱:デザイン・ヒーロー賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.09 17:05

ジャガーランドローバーでの輝かしい功績

フォルクスワーゲンでの短期間の勤務を経て、トムソン氏はジャガーに移籍。そこで先進デザインディレクターとして、当時のデザイン責任者イアン・カラム氏と共に働き、名を馳せることになる。

活発な議論を交わすことで知られるこの2人は、非常に実り多い友情を築き上げ、ジャガーに新たなデザインの方向性(XF)をもたらし、初のSUV(Fペイス)を生み出し、電動化へと導いた(Iペイス)。

ランドローバーLRXコンセプト
ランドローバーLRXコンセプト

トムソン氏が手がけた作品の中で最も先見の明があったのは、2008年初頭の『ランドローバーLRX』という、従来の常識を打ち破るSUVコンセプトだろう。これは後に『レンジローバー・イヴォーク』として大ヒットを記録し、今日に至るまで堅調な販売を維持している。

しかし、20年にわたるパートナーシップの後、ジャガーの経営陣は抜本的なデザイン改革が必要だと判断したため、トムソン氏とカラム氏は1年足らずの間に相次いで同社を去ることになった。

GMの一員として働くことの喜び

カラム氏は自身のデザインコンサルティング会社を設立し、その6か月後にはトムソン氏もGMプロジェクトの初期段階に没頭するようになった。ウォリックのスタジオはすでにGMのデザイン業務に欠かせない存在となっているが、デザインに詳しい訪問者は、その膨大な作品量と、静謐な創造性にしばしば感嘆してしまう。

トムソン氏は、このGMでのキャリアを、自身のデザイナー人生における最高の時代の1つと捉えている。取材中、彼は本棚にある『Fins』という本を指さした。そこにはGMスタジオのスターであり、デザインの先駆者であるハーレー・アール氏の生涯とキャリアが記されている。

シボレー・コルベット・コンセプトカー
シボレーコルベット・コンセプトカー

「クレイモデルやデザインスタジオ、コンセプトカー、そして現代的な自動車の作り方を発明したこの会社で働けるというのは、最高に素晴らしいことです。GMはこれらすべてを大変誇りに思っています」

「自分のキャリアのさまざまな段階を経て、すべてが始まったこの場所にたどり着き、実際にその一員となれたことを考えると……本当に、この上ない名誉です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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