2019年に歴史的変革を受けたC8世代『シボレー・コルベット』は今も進化中 伝統の称号『Z06』が持つ価値とは

公開 : 2026.07.08 11:45

これまでになかった斬新さと凄味

フロントからミドシップへとV型8気筒エンジンの搭載位置が移動したことで、C8、すなわち最新世代のコルベットのスタイルには、これまでにはなかった斬新さと凄味が生み出されるようになった。

C7で伝統のラウンドリアハッチがエアロダイナミクスを最適化するために廃止された際も時代の変化を感じさせられたが、やはりC8のボディから感じるのは最新のスポーツカー、いやスーパースポーツカーとしての機能美だ。

コルベット史上初となる、リトラクタブルルーフのオープン&クローズが可能だ。
コルベット史上初となる、リトラクタブルルーフのオープン&クローズが可能だ。    平井大介

リアに345/25ZR21というサイズのタイヤを装着するZ06は、リアフェンダーがスタンダードな『2LT』や『3LT』と比較してワイドなデザインとなり、全幅は85mm拡大されている。当然のことながらリアフェンダーの一部を構成するサイドエアベントも大型化され、冷却効率はさらに高められることになった。

今回試乗したZ06は、キャビンのスイッチ操作によってオートマチックで、コルベット史上初となるリトラクタブルルーフのオープン&クローズが可能なコンバーチブル。

そのプロセスはスムーズで、かつそれに必要な時間も短い。さらに約48km/h以下であれば走行中でもふたつのスタイルを使い分けることができるのだから、コンバーチブルを選ぶことに一切の抵抗はないだろう。

ちなみにこのZ06では、コンバーチブルを選ぶとブレンド製のカーボンセラミックブレーキが標準装備となる。タイヤはミシュラン製のパイロットスポーツ4S ZPと、こちらも万全の備えだ。

2026年モデルでインテリアデザインを一新

ブラックのボディカラーでは標準となる、アドレナリンレッドをアクセントカラーに用いたインテリアは、これもまた実に刺激的なフィニッシュだ。

2026年モデルではインテリアのデザインも一新され、センターコンソールや14インチサイズに拡大されたメーターディスプレイ、12.7インチのセンターディスプレイ、さらに6.6インチのサブディスプレイで必要な情報を得ること、そして様々な操作を行うことが可能になった。

2026年モデルでは、インテリアデザインが一新された。
2026年モデルでは、インテリアデザインが一新された。    平井大介

インフォテインメントシステムがグーグル化されたことや、専用アプリによって車両の管理などを行うことができるようになったのも、カスタマーには嬉しい改良ポイントといえるだろう。

ミドシップに搭載されるLT6型エンジンは、簡単な表現を用いるのならば高回転型だ。それは646psの最高出力が8550rpmで発揮されるという事実からも証明されるところで、一方6300rpmで得られる623Nmの最大トルクは2LTや3LTのLT2型エンジンに対してはわずかに小さい。いわゆる回転でパワーを稼ぐタイプのエンジンなのだ。

実際に感じるパワーフィールは、確かに6000rpmを超えたあたりから鋭さを増し、さらにその印象はトップエンド付近まで確実に続く。このZ06では『ツアー』、『スポーツ』、『トラック』、『ウェザー』、そして『マイ』と『Z』というふたつのインディビジュアルモードが用意されているが、オンロードではスポーツでも十分にスパルタンな走りを楽しむことができるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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