【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・ゴルフR 加速はスムース 低速の乗り心地に難 高価すぎる

公開 : 2021.04.24 20:25  更新 : 2021.05.05 07:44

結論 ★★★★★★★★☆☆

ゴルフRの価格は考えものだ。テスト車の場合は4万5000ポンド(約630万円)近いのだが、これでもRパフォーマンスパッケージやアクラポヴィッチ製エキゾーストは含まれていない。疑問が湧くのも当然だ。

日常使いできるホットハッチのプライスが、正真正銘のスポーツカーといえる性能と、4つのシートや広い荷室を持つクルマ、たとえばBMW M2コンペティションに近い領域に足を踏み入れているのだ。なかなか難しい問題だ。

結論:ゴルフRの製法としては、もっともおもしろい産物だが、価格は高い。
結論:ゴルフRの製法としては、もっともおもしろい産物だが、価格は高い。    MAX EDLESTON

この疑問に、ある程度明確な答えを出すのが、今回テストしたゴルフVIIIのRバージョンだ。ある点では断固たる答えを出せるが、ほかの点では説得力に欠ける、ともいえる。

このクルマは、先代ほど寛大で、簡単に好きになれるものではない。たとえ、そのハンドリングのエキサイティングさや満足感が、メルセデスAMG A35のような競合車種には見出せないものであったとしてもだ。

さらに、多くの部分で、ほかもうらやむようなバーサタイル性がある。ただし、普段使いするようなセッティングでの乗り心地にはいくばくかのただし書きをつけざるを得ない。

このクルマの速さや安定感、これまでにないセンスといったものは称賛に値する。どれも、4WDの高性能ハッチがひしめく中でも際立っているのだ。しかしながら、ホットハッチとしては高すぎる。

5000ポンド(約70万円)安いホンダシビック・タイプRで、もっと多くのものを得られるのも事実だ。そのほうがより精密で、アジャスト性も高く、より夢中になれるのである。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン

先代の魅力の柱の1本が、即金でもローンでも際立つバリュー・フォー・マネーだった。今回はやや違って、テスト車の4万5000ポンド(約630万円)近い価格は、BMW M2コンペティションの中古車でもどうにか買える金額だ。

マット・ソーンダース

できれば18インチホイール仕様に、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sを履かせて試してみたい。PS4Sは経験上、ブリヂストン・ポテンザよりソフトなフィールで、それでいてグリップも強力だ。より円熟味のあるクルマになるはずだ。

オプション追加のアドバイス

2000ポンド(約28万円)のRパフォーマンスパッケージは必須ではないが、それを選ぶと使えるドリフトモードは、トルクベクタリングの効果を高めてくれる。785ポンド(約11万円)のDCCアダプティブダンパーは必須といえるが、ホイールは標準装備のヘレスこと18インチのままにしておいたほうがいい。

改善してほしいポイント

・リアのトルクベクタリングは、もっとプログレッシブに作動するようにしてほしい。
・なめらかでない路面を低速で走ると突き上げがつらいので、改善してもらいたい。
・エンジンルームを、もうちょっとスペシャルな雰囲気にしてほしい。

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