フォルクスワーゲンID.4 詳細データテスト 穏やかな出力特性と操縦性 遅くないが刺激は足りない

公開 : 2021.11.06 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

今年3月、英国の大蔵省はプラグイン車への補助金を再度導入したが、ID.4 GTXのようなクルマは蚊帳の外だった。新車のEVを購入しても、支給されるのは2500ポンド(約35万円)のみで、しかも対象は本体価格3万5000ポンド(約490万円)まで。

ID.4の場合、当てはまるのは最廉価グレードのみだ。となれば、どうがんばっても対象になりそうもないGTXの値付けを、無理して下げることはないという理屈が成り立つ。

ID.4の残価予想はまずまず悪くない。フォード・マスタング・マッハEの最上級グレード以上で、ヒュンダイ・アイオニック5と同等だ。
ID.4の残価予想はまずまず悪くない。フォードマスタング・マッハEの最上級グレード以上で、ヒュンダイ・アイオニック5と同等だ。

しかし、それにしても容赦ない値付けではないだろうか。今回のGTXマックスは、GTXの装備拡充版で、サラウンドビューパーキングカメラやアダプティブダンパー、3ゾーンエアコンやエネルギー効率が高いヒートポンプまで備わる。

その価格は5万5555ポンド(約778万円)。同じくツインモーターを積むアウディQ4 Eトロンでも、これより4000ポンド(約56万円)安い。競合する仕様のスコダやヒュンダイなら、もっと低価格だ。

価格面のデメリットを補ってあまりあるのは、まさにフル装備であること。もちろん、ディーラーオプションは別だが、メーカーオプションで追加するものはほとんどない。

ベースのGTXは、もっと競争力のある価格だ。フォード・マスタング・マッハEの2モーターを積むロングレンジ版よりより安く、ポールスター2の同等グレードを上回る程度に設定されている。

GTX系も含め、ID.4は125kW充電に対応するが、ヒュンダイやキアが250kWを導入しようとしていることを考えると、驚くには及ばない。テスト時には、113km/h巡航での航続距離は385kmほどだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

モデル3のクロスオーバー版 新型テスラ・モデルYへ試乗 クラストップの実力の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事