ジャガーFペイス 詳細データテスト 内装の質感は大幅に向上 サイズのわりに上質な走り 価格は高め

公開 : 2021.12.11 20:25  更新 : 2021.12.17 16:09

結論 ★★★★★★★★☆☆

2025年以降、ジャガーは新たな姿を見せることになる。さらなる高級化をめざしつつ、ラインナップすべてがバッテリーEVとなるのだ。

それまでは、短い間とはいえ、現行モデルのリフレッシュ版で切り抜けなくてはならない。とはいえ、今回のロードテストの結果を踏まえれば、そこにそれほど多くの問題はないはずだと思える。

結論:フェイスリフトは的を射たものだ。電動化はいいことばかりではないものの、賞賛に値する成功を収めている。
結論:フェイスリフトは的を射たものだ。電動化はいいことばかりではないものの、賞賛に値する成功を収めている。    WILL WILLIAMS

今回のPHEVモデルは、たしかに電動化前提で開発されたわけではないプラットフォームの弊害がわずかながら見受けられた。重量とパッケージングに、そのハンデを負っている。また、かなりがんばった値付けのXEやXFとは違って、FペイスP400eはちょっとばかり高すぎる。

しかし、それ以外の変更は狙い通りだ。Fペイスは相変わらず大柄なSUVとしては走りがよく、プレミアム性に見合ったエンジンもラインナップしている。さらに、インテリアはあるべき高級感を与えられ、今ある中でも出来のいい部類に入るマルチメディアシステムも装備された。

そうなると、ゼロエミッション化への期限が差し迫っていることが残念に思えてくる。これまでジャガーのラインナップに、これほど魅力的なモデルが揃っていたことは滅多になかったのだから。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート

アルミはスティールほどの強度がない素材だから、同じ剛性を出すには余計に量が必要で、その結果として前後ピラーが太くなってしまっている。しかも背の高いドライバーは、かなり前方に来ているBピラーのすぐ横に座ることになる。どちらも、視認性を悪化させる原因となっている。

リチャード・レーン

SVOプレミアムパレットを利用すれば、ボディカラーは無数の選択肢からチョイスできる。なかでも実車を見てみたいのがソレントイエローだ。たったの4590ポンド(約64.3万円)で塗装できるので、誰か試してくれないだろうか。

オプション追加のアドバイス

テスト車と同じ上級仕様のRダイナミックHSEは度が過ぎている。Rダイナミック仕様のボディキットと大径ホイールに興味がないなら、装備内容の充実したベーシックなSグレードで十分。浮いた予算で、好みのオプションを追加すればいい。

改善してほしいポイント

・EV走行の航続距離をもっと伸ばしてもらいたい。
・荷室容量を犠牲にしないバッテリー搭載方法を編み出してほしい。
・ナビゲーションシステムのオンライン渋滞情報は改善が必要だ。今のままでは、下手をしたらGoogle Mapのような無料サービスにも見劣りしてしまう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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