【詳細データテスト】シボレー・コルベット ミドシップ化で磨いた走り 高い実用性 唯一無二の存在感

公開 : 2022.07.02 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

高速道路の速度域での長距離ドライブは非常に快適だが、静粛性はあまり高くない。室内騒音は、いうまでもなくルーフを装着した状態で計測した値だが、48〜113km/hで現行911より2dBAほど大きかった。もちろん、その比較対象は決して静かさを誇るようなクルマではないのだが。

その差は、4速全開では5dBAにまで広がる。とはいえ、シボレーのNVH担当エンジニアたちが、高回転域でエンジンルームから聞こえてくる音を、ノイズではなくサウンドと表現するだろことは想像に難くない。つまり、これは楽しむべきものなのだ。騒音値の高さを悔いてはいないだろうし、悔いる必要もない。

静粛性は高くないが、むしろそのエンジン音は楽しみたい類のサウンドだ。普段使いするなら、全体的にほどよく角が取れるツアーモードをおすすめしたい。
静粛性は高くないが、むしろそのエンジン音は楽しみたい類のサウンドだ。普段使いするなら、全体的にほどよく角が取れるツアーモードをおすすめしたい。    LUC LACEY

このV8サウンドを堪能したいのであれば、ルーフはつけたままのほうがいい。パネルを外すとキャビンの開放感は多少増すが、エンジン音は風音にかき消されてしまうだろう。

乗り心地は、ツアーモードではほどよくダンピングが効いていて、ロールや路面に追従した動きは、このクルマのキャラクターがそこそこ感じられるくらいには許容されるが、過剰ではない。そのモードだと、ほかのモードほど歯切れのいいコーナリングは期待できない。その代わり、ラインを外すことのない走りや、長く弧を描くコーナーや高速道路のインターチェンジなどでの挙動は、じつに心地いい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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