【詳細データテスト】シボレー・コルベット ミドシップ化で磨いた走り 高い実用性 唯一無二の存在感

公開 : 2022.07.02 20:25

結論 ★★★★★★★★☆☆

コルベットがミドシップレイアウトへ転換するという大改革は、多くの成果を生んだ。完成したのは、ハンドリングのいいスポーツカーだ。走りの楽しさでは欧州勢の中でも最上級の部類となるライバルすら超越し、ポルシェジャガーロータスアルピーヌ、さらにはBMW Mと同じ土俵で戦えるものとなった。

このクルマがクルマ付きを惹きつける要素は、なにもハンドリングばかりではない。プライス、ツーリングでのみごとなマナー、使い勝手、パワフルでエモーショナルなスモールブロックV8、そして、うまくスーパーカー的に仕立てられたルックス、などなど。

結論:カリスマ性があり、実用的で、魅力的なプライスのアメリカの象徴は、飛躍的なステップアップを果たした。
結論:カリスマ性があり、実用的で、魅力的なプライスのアメリカの象徴は、飛躍的なステップアップを果たした。    LUC LACEY

われわれはすでに、現実的な価格のドリームカーとして、C8コルベットにオートカー・アウォードを進呈している。直線での速さは、この新型でも最大の財産だろう。しかし、それとV8エンジン以外にも、見るべきところはじつに多い。

パッケージングも運動性能も、根本的に改善されていると言っていいが、このクルマ独自の強烈な魅力や、走りの高い完成度を感じさせる場面がある。ドライバーを夢中にさせるという点では、シンプルだが有意義なやり方をみせる。もはや、700ps級のスーパーカーのも煩わされることはないレベルだ。

待ちに待った右ハンドルのコルベットが英国上陸を果たしたのは、じつに歓迎すべきことだ。願わくは、このアメリカンスポーツの象徴がいつまでも英国市場を去らずにいてもらいたい。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

このコルベットは個人的に、ツアーモードで走るのがベストだと思う。コーナーに入ると、一瞬の間を置いてリアの外輪に重量が乗るのが感じられ、それからデフがロックアップする。そこからアペックスを通り過ぎると、シャシーは旋回し、物理法則に身を任せる。すばらしい動き方だ。

リチャード・レーン

個人的な見解だが、C8のデザインは普通すぎると思う。ジェット戦闘機のようなエクステリアに、ウイングのようなステアリングホイールのスポークは、新鮮さに欠ける。しかし、全開で駆け抜けるときのサウンドを耳にしたら、好きにならずにはいられない。

オプション追加のアドバイス

おすすめは3LTクーペで、標準装備のGT2シートはそのままに。1580ポンド(約26万円)のノーズリフターはつけておきたいが、カーボントリムは追加しなくていい。おすすめのカラーはハイパーソニックグレーで、650ポンド(約11万円)のレーシングストライプもほしいところだ。

改善してほしいポイント

・ドライビングポジションはもっと低く。
・ギアボックスの制御は改善を。Dレンジでやたら変速したがるところは是正してもらいたい。
・外観がちょっとコミカルな感じなので、もっとリファインして、伝統あるアメリカの象徴的スポーツカーにふさわしく仕立てほしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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