MG 4 EV 詳細データテスト 安価ながら高い完成度 後輪駆動の楽しさあり 快適性にも進歩あり

公開 : 2023.04.15 20:25

中国メーカー傘下で伝統の名を受け継ぐMGは、EVシフトを進めています。今回の4は新開発のEV専用プラットフォームを採用する初のモデルで、安価でありながらパフォーマンスやハンドリングも快適性も合格点。有望株です。

はじめに

MG 4は、MGモーターのシフトチェンジを代表するモデルだ。中国の大手メーカーであるSAICのサブブランドとなって久しいMGは、近年ではEVの拡充を図っている。まずまずの成功を収めてきているが、それは航続距離の長さと、うまい価格設定によるものだ。

言い換えるなら、最近のMG車は合理的な選択肢にすぎないということだ。航続距離と価格を除けば、よくて平均レベルだし、とにかく安いからというのが一番の購買動機になっているというのが現実だ。

テスト車:MG 4 EVロングレンジSE
テスト車:MG 4 EVロングレンジSE    MAX EDLESTON

もちろん物価高の昨今において、クルマにかけるコストを抑えることの利点は大いにある。しかし、すべてが横並びになりつつあるとすれば、多少なりとも楽しいほうのクルマを選びたくなるのが人情というものだ。

そんな状況が、今回のテスト物件から変わろうとしている。今後のMGが送り出そうとしているクルマたちは有望株揃いだと期待されているが、その第1弾がMG 4 EVなのだ。初試乗ではなかなかの好印象だった。さらに昨年、これよりずっと高価なフォルクスワーゲンID.3と比較してみて、この上ない電動ハッチバックであることがよくわかった。

となれば、今度は単体で、ロードテストの俎上に載せてみたくなる。データを厳密に計測しても、ライバルの上を行くことができるのか、確かめてみようではないか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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