この楽しさは「リアル」 世界初の電動ドライバーズカー ヒョンデ・アイオニック5 Nへ試乗

公開 : 2023.11.29 19:05

世界初のリアルな電動ドライバーズカー

欧州仕様では、試乗車よりダンパーが柔らかめにチューニングされるそうだが、筆者はこのままで良いと思った。乗り心地は充分しなやかで、シャープで扱いやすく、ステアリングは正確に反応する。

フォーカス RSだけでなく、メルセデスAMG A 45や三菱ランサー・エボリューションのような匂いも漂わせる。しかも、それらより熟成された印象があり、能力は多面的だ。

ヒョンデ・アイオニック5 N(韓国仕様)
ヒョンデアイオニック5 N(韓国仕様)

人工的な側面もあるとはいえ、ドライビング体験は間違いなく楽しい。クルマを操るという、確かな一体感を備えている。重すぎて加熱しやすいという、現在のバッテリーEVの課題にもしっかり対応している。

筆者は数時間試乗させてもらったが、もっと時間をかけて特性を探りたいと思えた。気は早いが、バッテリーEVのランドマークとして、2024年末の英国ベスト・ドライバーズカー選手権(BBDC)へノミネートする可能性は高い。

ギミックのエンジン音を聞けるからではない。すべてのチューニングが素晴らしい。施された技術には本物感がある。世界初の、リアルな電動ドライバーズカーだと思う。

ヒョンデ・アイオニック5 N(韓国仕様)のスペック

英国価格:6万5000ポンド(約1202万円)
全長:4715mm
全幅:1940mm
全高:1605mm(標準アイオニック5)
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:3.4秒
航続距離:450km
電費:5.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2200kg(予想)
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:84.0kWh
急速充電能力:350kW
最高出力:650ps(オーバーブースト時)
最大トルク:78.2kg-m(オーバーブースト時)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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