アウディS5 詳細データテスト 強力で高効率なV6MHEV 完成度高いシャシー 内装の質感は不足

公開 : 2025.02.01 20:25

内装 ★★★★★★★☆☆☆

超ソリッドな製造クオリティや、クリック感が心地いいスイッチ類、高品質なマテリアルは、過去のA4やS4の特徴だった。しかし、Q6E−トロンと同じく、新型S5のインテリアはディスプレイが幅を利かせる。

大型の曲面ディスプレイには、メーターパネルとセンターディスプレイが統合され、助手席側にも画面が。まるでディスプレイの壁で、きわめて先進的だが、万人受けはしないだろう。その周囲は指紋や擦り傷が目立ちそうなグロスブラックのプラスティックトリムで、ほかの部分もチープそうなマテリアルを見つけるのは難しくない。

ディスプレイだらけの室内は好みが分かれそう。ステアリングホイールはリムが細く握り心地がいいものの、タッチ式スイッチは誤って手が触れて、意図せぬ作動をしがちなので、なくしてほしい。
ディスプレイだらけの室内は好みが分かれそう。ステアリングホイールはリムが細く握り心地がいいものの、タッチ式スイッチは誤って手が触れて、意図せぬ作動をしがちなので、なくしてほしい。

ディスプレイ偏重主義のアウディだが、救いはほどよく実体ボタンが残されていることと、ソフトウェアが全体的によく機能してくれること。さまざまな機能を手早く切り替えることができるのは、常時表示されるショートカットの選択と、入力に対する素早い反応のおかげだ。

それでも、ストレスの種はある。ナビはルートの選択肢を提供してくれないし、運転席ディスプレイは常に、走っているクルマの目障りなグラフィックを映し続ける。

ありがたいことに、S5のインテリアは基本的によく考えられている。ドライビングポジションは上々で、あらゆる方向への豊富な調整箇所が用意されている。またアウディによれば、新プラットフォームのPPCはレッグルームが拡大されているとのことで、実測でも後席は旧A4を35mm上回り、BMW3シリーズと同等になった。セダンのヘッドルームは、スロープしたルーフによって制限されるので、後席にひとを乗せることが多いならアバントがおすすめだ。

荷室は、スコダ・シュパーブに比べれば見劣りする。417Lという容量は、BMW3シリーズやメルセデスCクラスに及ばない。後席を倒すレバーがなかったり、床下がバッテリーに占領されていたりするのもガッカリポイントだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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