【詳細データテスト】アウディRS6 圧倒的加速 無駄を削ぎ落としたハンドリング 快適性は一歩後退

公開 : 2025.02.08 20:25

操舵/乗り心地 ★★★★★★★★☆☆

GTは通常のRS6に対し、驚くほど高い走りの洗練性を犠牲にして、精密さやレスポンス、透明性が、歴代のどのモデルにもなかったほど引き上げられている。

それがもっとも顕著なのはステアリングだ。レギュラーモデルにはない軽やかさがあり、運転席より後方の長さを忘れて操作できる。コーナーでGTが見せるノーズとテールの一体感は、通常モデルにはないものだ。

手動調整ダンパーとコイルスプリングはシンプルで、軽やかな走りを生む。その代わり、通常モデルのエアサスのような乗り心地は望めない。
手動調整ダンパーとコイルスプリングはシンプルで、軽やかな走りを生む。その代わり、通常モデルのエアサスのような乗り心地は望めない。    MAX EDLESTON

また、楽しめるシンプルさもある。走り出してしまえば、サスペンションの挙動を気に病むことはなく、それを理解してさえいれば制約なく走れるというのが、ほとんどのテスターの見解だ。

同じく、円熟味は通常モデルほどではない。BMWの旧M5CSは魔法のように、M5を改良して一体感と快適性を両立したが、RS6GTは同じようにはいかない。プライマリーライドは納得できるもので、出荷状態のダンパーセッティングで日常使いできる。しかし、セカンダリーライドに関しては、四輪それぞれがパタパタいうノイズや路面の穴などの吸収能力に欠けている。通常のRS6ならば、そういうことはない。

記事に関わった人々

  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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