【詳細データテスト】アウディRS6 圧倒的加速 無駄を削ぎ落としたハンドリング 快適性は一歩後退

公開 : 2025.02.08 20:25

走り ★★★★★★★★★☆

0−161km/hが7.3秒というのは、2020年に計測したRS6アバントよりコンマ5秒速い。馬力差は30ps程度で、通常モデルがドライコンディションでの計測だったのに対し、今回の路面は湿り気味だったのだが。トラクションは強烈で、BMW M5セダンと比較しても0.2秒速いタイムを叩き出した。あちらはより強力なハイブリッドを積むのだが、馬力荷重比は4ps/tしか違わない。

同時に、ハイブリッド化が進むこのクラスの中では、大排気量V8のターボラグが目立ち、3000rpm以上でないと速さが発揮できない。ギア選択と回転数が適切でないと、コーナーの脱出はやや時代遅れな感じを味わうことになる。

トラクションは強烈で、湿った路面でも標準モデルより加速に優れる。ただし、ハイブリッド化が進んだライバルに比べ、ターボラグが目立つ。
トラクションは強烈で、湿った路面でも標準モデルより加速に優れる。ただし、ハイブリッド化が進んだライバルに比べ、ターボラグが目立つ。    MAX EDLESTON

ZF製トランスミッションのシフトクオリティも同様で、良好で予測しやすいのだが、思ったほどかっちりしたフィールではない。それでも魅力的なドライブトレインで、とくにV8とシャシーが噛み合ったときにそれを実感する。現実的な走り方をしていれば、我慢を強いられることは滅多にない。

最後にブレーキだが、GTにはカーボンセラミックディスクが標準装備される。フロントは440mm径で、白いホイールの内側いっぱいを占める。効きはいいが、コミュニケーションはそこまでではない。

記事に関わった人々

  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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