やっぱり黄金期だった? 輝かしい1990年代のクルマ(1) アウディTT E39型BMW 5シリーズ
公開 : 2025.04.26 09:45
E39型BMW 5シリーズ:現代の厳しい評価に耐える
E39型BMW 528iは、シンプルだった時代のミュンヘン・ブランドを象徴する1台だろう。滑らかな直列6気筒エンジンに、ドライバー中心のコクピット。正面には2枚のアナログメーターが並び、究極のドライビングマシンという言葉が、ピタリとハマる。
その頃BMWを実質的に率いていたのは、技術者のヴォルフガング・ライツレ氏。今でも、この世代のモデルは高く評価されている。

低く無駄のないボディは、新しい方向性を探り出す必要性を提示した、クリス・バングル氏以前のスタイル。明確なアイデンティティと威厳が漂う。E39型の5シリーズは1995年に発売されたが、ボディサイズは現在の3シリーズと殆ど変わらない。
「この5シリーズは、現代の目や耳、手足による厳しい評価に耐えますね。車内は充分に広く、レイアウトは人間工学に準じています。運転姿勢は完璧です」。ジェームス・ディスデイルが称える。
スムーズな2.8L直6エンジンは、2025年の交通に紛れても余裕のパワーを生み出す。仕事自体は流暢な5速ATは、変速タイミングが遅め。時代を感じさせる1つといえる。
ステアリングは自然なレシオと重み付け。後輪駆動らしいバランスを、普段使いの速度域で感じられる。洗練性は、現代の多くのモデルを凌駕している。
フォード・モンデオ:非常に高い一般道での充足感
フォード・モンデオ 1.8 LXは、当時のビジネスマンを納得させたサルーン。英国で売れる新車の7割近くが、社用車として企業に買われていた頃で、フォードは全盛期を迎えていた。それを牽引したのは、技術者のリチャード・パリー・ジョーンズ氏だった。
1993年にモンデオが発売されると、AUTOCARでは14ページもの特集を組んで徹底的な試乗テストを実施。そこでの絶賛は、フォードの株価を押し上げたとか。数か月後には、モンデオ 1.8 LXで1万9000kmを超えるグランドツアーも敢行している。

バプラートは、運転姿勢の素晴らしさと直感的なマナーを評価する。「カタチや素材、低いウエストライン、広いガラスエリアなどは、古さを感じさせます。しかし一般道での充足感は非常に高いですね」
「クラシックカーとして、評価される兆候は感じにくいかもしれません。この先代の、フォード・シエラも」。プライアーは、エイジングに少々不安を感じているようだ。
この続きは、輝かしい1990年代のクルマ(2)にて。


































































































































