ヴォグゾールロータス・カールトン:本気を出せば暴君

ヴォグゾール(英国オペル)・ロータス・カールトン(オメガ)は、1986年にロータスの経営へ介入した、GMの成果。フォード・コルチナやタルボサンビームなど、他メーカーとのコラボで成功していたスポーツカーメーカーを、利用しない手はなかった。

シャシーとエンジンへ手が加えられたロータス・カールトンは、382psを獲得し、最高速度は283km/hに到達。0-100km/h加速を5.1秒で処理し、世界最速の4ドアサルーンという座を掴んだ。AUTOCARのテストでは、そのカタログ値を超えてはいないが。

ヴォグゾール・ロータス・カールトン(1989~1992年/英国仕様)
ヴォグゾール・ロータス・カールトン(1989~1992年/英国仕様)
    マックス・エドレストン(Max Edleston)

「ロータス・カールトンの速さの記事を読んで、自分は成長したんですよ」。リチャード・レーンが笑顔を浮かべる。「実際に運転してみて、運転体験はそれ以上だと知りました。コクピットは上質で、視界の広さは現代のモデルでは得られないほど」

「乗り心地はしなやかで、普通に流しているだけでも気持ちが良い。本気を出せば、まさに暴君。パワーとトラクションの比率は、現代のクルマには与えられないものです」

「トルクの太い6気筒エンジンにMT、ローグリップなタイヤ。どこでもアクセルペダルの角度で振り回せる、スーパーサルーンといった感じです」

1990年代の技術力やデザイン力を称えたい

今回揃えた1990年代のモデル10台で、勝者を決めるつもりはない。この時代の技術力やデザイン力のすべてを、称えたいと思う。

アウディTTロータス・エリーゼは、後継モデルを超える象徴性を備えていた。トヨタRAV4やMGFは、トレンドの1歩先を進んでいた。E39型BMW 5シリーズにフォード・モンデオは、新基準で作られた量産サルーンといえる。

AUTOCARのUK編集部が選んだ、1990年代の気になるモデル10台
AUTOCARのUK編集部が選んだ、1990年代の気になるモデル10台    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ランボルギーニディアブロ日産スカイライン、ロータス・カールトンは、大幅にそのカテゴリーを進化させた。一方のメルセデス・ベンツAクラスは、大胆な技術的挑戦で誕生したものの、メーカー自体がその発展を躊躇したといえる。

それでも、コンパクトで高効率なパッケージングは、現代の自動車でも必要とされるもの。クルマの未来を示唆したモデル、といえることは間違いないだろう。

輝かしい1990年代のクルマ(4)からは、UK編集部4名の1番のお気に入りを、もう少しだけ掘り下げてみたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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