2025年版 最も航続距離が長いEV 10選 乗り心地や走行性能も評価

公開 : 2025.07.13 18:25

欧州WLTPサイクルに基づく航続距離が長い10台のEVを、AUTOCAR英国編集部がピックアップしました。ランキング上位は700km以上を誇ります。その他、デザインや走り、実用性などについても評価しています。

ランキング上位は「700km以上」が当たり前

今回は、公式のWLTP数値に基づき、英国で販売されている航続距離が最も長いEVを10台、ランキング形式で紹介する。AUTOCAR英国編集部による試乗レビューも添える。

多くの人にとって、EV購入時に決め手となるのが航続距離だ。それは当然のことだろう。初期のEVは1回の充電で走行できる距離が短く、当時は公共の充電器もほとんどなかった。

欧州WLTPサイクルで最も航続距離が長いEVを、AUTOCAR英国編集部がピックアップした。
欧州WLTPサイクルで最も航続距離が長いEVを、AUTOCAR英国編集部がピックアップした。

2010年に発売された量産型EVの第一号である日産リーフは、航続距離わずか160kmで、自宅での充電には8時間かかった。

ありがたいことに、時代は変わった。今日、最も安価なEVでも、初代リーフの2倍の航続距離を実現し、充電時間も数分の1で済む。

バッテリーとモーター技術の飛躍的な進歩により、一部の最新EVは、ガソリン車が満タンで走行できる距離と同じくらいの距離を、1回の充電で走行できるようになった。

現在、英国で最も航続距離が長いモデルは、774kmという驚異的な数値を誇るメルセデス・ベンツEQSだ。その評価や、他のモデルについても解説していく。

ただし、ここで取り上げるのはWLTPによるメーカー公称値、つまりカタログ値だ。実際の走行環境においては、穏やかな運転や暖かい気候での使用などを意識しなければ、これらの数値を達成することは難しいだろう。

(翻訳者注:各モデルの装備や価格は英国仕様に準じます。英国市場から撤退したモデル、あるいは未導入のモデルについては取り上げていません。また、航続距離はいずれも欧州WLTPサイクルに基づくメーカー公称値です。)

1. メルセデス・ベンツEQS

デザイン:9点 インテリア:9点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:8点
長所:後輪操舵システムで驚くべき機敏性を発揮 長距離走行時の快適性が高い 追い越しも簡単
短所:巨大なハイパースクリーンは走行中の操作が難しい 低速時の洗練度が足りない インテリアの質感に疑問が残る
航続距離:774km

メルセデス・ベンツEQSは、現在英国で販売されているEVの中で最長の航続距離を誇り、巨大な118kWhのバッテリーにより774kmを走行できる。

1. メルセデス・ベンツEQS
1. メルセデス・ベンツEQS

「冬の厳しい条件下でも、充電1回で高速道路を480km以上走行できる」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者(AUTOCAR英国編集部)

これには、0.20という優れた空気抵抗係数(Cd値)が大きく貢献している。この数値は現代のあらゆるクルマの中でも非常に低いものだ。

万が一、バッテリーを使い切っても、充電時間は短く済む。最大200kWの充電速度に対応しており、10%から80%までわずか30分で充電できる。

唯一の欠点は、新車価格が10万ポンド(約1960万円)以上と非常に高いことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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