シトロエンを120台所有する男 マニア必見のコレクション(後編) 巨大な個人博物館

公開 : 2025.07.26 19:25

GSパラス(1977年)

1977年にこのGSパラス(上級グレード)を購入した夫婦は、高齢のため混雑したパリの道路での運転が難しいと考え、3万5000km走行後に走らせるのをやめた。オルレアンの修理工場のオーナーが、夫婦の自宅の駐車場で発見した。

GSパラス(1977年)
GSパラス(1977年)

GSバサルト(1978年)

オドメーターにほぼ10万kmと表示されているこの1978年製GSバサルトは、同じ倉庫に保管されている低走行のクラシックカーよりもはるかに多くの時間を道路で過ごしてきた。フランス市場向けに1800台のみ生産された希少性と、新車同様のコンディションが評価され、コレクションに収められた。

GSバサルト(1978年)
GSバサルト(1978年)

GSA(1984年)

シトロミュージアムで取材班のお気に入りの1台であるこの1984年製のGSAは、走行距離41kmで、新車当時は何年も売れずに未登録のまま放置されていた。スペイン生産で、よりモダンなBXに比べ、外観も乗り心地も完全に時代遅れだったため、買い手が見つからなかったのではないかとフラデ氏は考えている。

GSA(1984年)
GSA(1984年)

GSA(1984年)

このGSAは、シトロミュージアムに加わるまで2人のコレクターの手に渡った。幸い、2人ともその希少性を認識しており、運転するよりも展示することを選んだ。フラデ氏は、購入したクルマのいくつかは自分の博物館まで運転して運んだが、GSAはスペインからアルプスまでフラットベッドで輸送した。

GSA(1984年)
GSA(1984年)

GSAコテージ(1984年)

シトロエンは限定モデルのGSAコテージ(GSA Cottage)を1850台生産した。ワゴンモデルをベースに、専用のツイード張りシート、フロントヘッドレスト、ベージュの塗装、GSA X3から借用したアルミホイールに似合うブラウンとオレンジのグラフィックを追加した。

シトロミュージアムのコテージの走行距離は、約1万5000kmだ。この個体の経歴は、低走行車の典型といえるだろう。最初のオーナーは購入後まもなく亡くなり、残された妻が思い出のクルマとして保管していた。フラデ氏は、彼女の死後、そのいとこからこのクルマを購入した。

GSAコテージ(1984年)
GSAコテージ(1984年)

CX 2400 GTI(1977年)

フランス北西部のシトロエンディーラーのオーナーが、1977年に自分用としてこのCX 2400 GTIを購入した。納車後、彼は自分の店の部品売り場から、当時人気のあったドライビングライト付きグリルとリアウィンドウ用ルーバーを取り付けた。

最高出力130psの2.3L 4気筒エンジンは、その性能を発揮する機会をほとんど与えられず、走行距離は4万9000kmにも達していない。2008年にシトロミュージアムに売却された。今でも、ミシュランのTRXタイヤ用に特別に製作された、めったに見られないホイールが装着されている。TRXは非常に高価であるため、CXのオーナーは、他のシトロエンのホイールや、アルファロ・メオから流用したアルミホイールと交換することが多い。

CX 2400 GTI(1977年)
CX 2400 GTI(1977年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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