シトロエンを120台所有する男 マニア必見のコレクション(後編) 巨大な個人博物館

公開 : 2025.07.26 19:25

CX 22 TRS(1988年)

この後期型CXは、生産からほぼ1年後にフランス北西部のシトロエンディーラーに入荷された。しかし、さすがにタイミングが遅すぎた。後継車種のXMがすでに1か月前に発売されていたのだ。シトロエンのフラッグシップモデルを求める顧客は、最新かつ最上級のモデルしか購入しないため、この個体を注文したディーラーはなかなか売ることができず、17年間にわたって地下に保管していた。走行距離はわずか62kmだ。

CX 22 TRS(1988年)
CX 22 TRS(1988年)

CX REGAMOプロトタイプ(1987年)

一見、この個体はごく普通のCXの後期型のように見える。しかし、これはREGAMOという名前のプロトタイプで、後にXMに採用される新技術をテストするためにシトロエンが製作したものだ。走行時にサスペンションのスポーツモードとオートモードを選択できるスイッチや、助手席の足元に隠された電子サスペンション・コントロールユニットなどが特徴的だ。

フラデ氏によると、シトロエンはREGAMOを12台ほど製作したそうだ。その半分はシトロエンがテストし、残りの半分は厳選されたディーラーに送られ、運転頻度の高い一部の顧客に貸し出された。走行距離が3万kmに達したところで返却され、通常のCX GTIに改造されて中古車として販売される予定だった。フラデ氏の個体は、REGAMO専用の装備がそのまま残っており、走行距離は3万296kmに達している。

CX REGAMOプロトタイプ(1987年)
CX REGAMOプロトタイプ(1987年)

LNA 11E Cannelle(1983年)

1976年に発売されたLNは、プジョーの指揮下で開発された最初のモデルであったため、シトロエンで最も物議を醸したモデルの1つとして今なおその名を残している。これは、シトロエン化されたいわゆる “2ドア版104” に過ぎなかった。1978年に機械的な改良を重ねてLNAと改名された。一部のモデルには、ヴィザと共通のフラットツインエンジンが採用されたが、シトロミュージアムに展示されている11Eモデルには、プジョーの1.1L 4気筒エンジンが搭載されている。

LNとLNAはどちらもコレクターの間で人気を博すことはなかったが、フラデ氏が所有する走行距離4700kmのこの個体は、低走行なだけでなく、別の理由でも珍しい1台だ。2000台限定で販売されたCannelleという特別仕様車なのだ。アルミホイール、ボディの両サイドに施された白いストライプ、特別なシートを特徴としている。最初のオーナーは購入後まもなく入院したため、早期に保管されることになった。

LNA 11E Cannelle(1983年)
LNA 11E Cannelle(1983年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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