超ディープな自動車博物館 シュタイア・プフ 深い歴史を学べる展示車両 19選

公開 : 2025.09.13 11:45

プフ・パンダ4×4プロトタイプ(1991年)

プフが製作した2台目のフィアット・パンダ4×4ベースのプロトタイプは、イタリア軍向けに開発された本格的なオフロード車だった。同社は1979年以降、数十か国の軍隊に数千台のGを販売していたため、軍用車製造が儲かるビジネスだと知っていた。そこで、パンダを初代ジープの現代版に変えようとしたのだ。

パンダ4×4をベースに、ソフトトップ、耐久性の高い金属部品で作られた専用フロントエンド、フェンダーエクステンション、折りたたみ式フロントガラスを装備した。しかし、こちらもまた試作段階で終わった。

プフ・パンダ4x4プロトタイプ(1991年)
プフ・パンダ4×4プロトタイプ(1991年)

トレーザー・カブリオ(1991年)

ドイツのコーチビルダー、トレーザー(Treser)はプフの協力を得て、2代目フォルクスワーゲン・ポロをチューナー好みの2人乗りコンバーチブルに改造した。ほぼすべてのボディパネルを交換し、2分割式の脱着可能なハードトップを装着するという内容だった。購入者はルーフパネルのみを外してタルガ風のドライブを楽しむことも、トップ全体を外して完全なオープンカーにすることもできた。

カブリオはフォルクスワーゲン販売店を通じて販売され、エンジンは最高出力55psの1.4L直列4気筒と75psの1.6Lが用意された。1991年から1993年にかけて、約290台のポロがカブリオに改造された。

トレーザー・カブリオ(1991年)
トレーザー・カブリオ(1991年)

アルファ・ロメオ164 Q4(1994年)

アルファ・ロメオは1993年、ライバルであるアウディメルセデス・ベンツに続いて四輪駆動車カテゴリーに参入し、164 Q4を発売した。このモデルには、シュタイア・プフと共同開発した『ビスコマティック(Viscomatic)』と呼ばれる四輪駆動システムが搭載されていた。これは1990年代初頭において、同種システムの中でも最も先進的なものの1つであった。

ビスコマティックは、ドライバーが要求するパワー、車速、ステアリング角度、前後アクスル間のスリップ差といったセンサーデータ処理を行い、前後トルク配分をほぼ瞬時に調整するというものだ。この技術により、164は理想のハンドリング性能を獲得した。

アルファ・ロメオ164 Q4(1994年)
アルファ・ロメオ164 Q4(1994年)

1994年から1996年にかけて、164 Q4は約1400台生産された。今日では164シリーズの中でも特に希少で、最も魅力的なバリエーションの1つとなっている。

クライスラー・ボイジャー(1995年)

クライスラーとシュタイア・プフは1990年、欧州市場向けの自動車製造のため、ユーロスター(EuroStar)という合弁会社を設立した。クライスラーのミニバンであるボイジャーの第2~4世代モデルは、グラーツ郊外に新設された専用工場で生産された。オーストリア製の車両には、リアハッチに「Made in Austria」のステッカーが誇らしげに貼られていることもあった。

ダイムラー・クライスラーは1998年にプフが保有するユーロスターの株式を買収し、後に同工場でPTクルーザーを生産したが、生産にはコストがかかりすぎたため、長く続かなかった。同社は2002年に事業全体をマグナ・シュタイアに売却した。

クライスラー・ボイジャー(1995年)
クライスラー・ボイジャー(1995年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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