イタルデザインの傑作デザイン 50選(前編) 今も語り継がれる初期の名車
公開 : 2025.09.23 11:05
チーター(1971年)
イタルデザインは1969年、カルマンとの協業を開始し、後にシロッコとなるプロジェクトに着手した。初期段階では、ビートルの1.6L空冷エンジンを搭載した手頃な価格のコンバーチブルを作ることが決まったが、このコンセプトカーは今やほぼ忘れ去られている。

マセラティ・ボーラ(1971年)
フェラーリやランボルギーニの同時代モデルと比べると、マセラティ・ボーラは劣った存在と見なされてきた。これはかなり不当な評価だ。なぜなら、その外観は美しく、ノーズに収められた4.7Lまたは4.9L V8エンジンのおかげで、見た目に見合った性能を備えていたからだ。ボーラはジウジアーロが手掛けたギブリと共通のデザイン要素を持ち、1972年に登場した2.0L V6搭載のメラクへとつながった。

カイマーノ(1971年)
見た目は大排気量V8を搭載しているように見えるが、カイマーノのパワーユニットはアルファスッドから流用した1286ccの水平対向4気筒エンジンだった。1971年トリノ・モーターショーで初公開されたカイマーノは、キャビンへの乗り降りを容易にするために上方へ開くキャノピーを備えていた。このクルマは現在、アレーゼにあるアルファ・ロメオ博物館に所蔵されている。

ブーメラン(1972年)
ブーメランは1972年のトリノ・モーターショーで木製モックアップとして初公開され、1973年のジュネーブ・モーターショーで走行可能な仕様が披露された。イグアナ、タピロ、カイマーノの要素を組み合わせたデザインで、中央に計器類を備えたステアリングホイールを装備。安全機能としては、格納式ステアリングコラムやエアバッグ対応(実際には未搭載)ステアリングホイールが採用されていた。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(1974年)
1970年代初頭、フォルクスワーゲンは旧式化したビートルの後継車の必要性を認識し、イタリアの輸入業者ゲルハルト・グンペルトに最適なデザイナーを推薦するよう頼んだ。グンペルトは1969年のトリノ・モーターショーで最も興味深いと考えた6台のクルマをリストアップしたが、そのうち4台はジウジアーロのデザインだった。
その結果、彼はビートル後継車のデザインを依頼され、初代ゴルフが誕生。南アフリカでの生産が2009年まで続くなど、約700万台を売り上げた。現在までの歴代の累計生産台数は4000万台に迫る。
















































