イタルデザインの傑作デザイン 50選(前編) 今も語り継がれる初期の名車

公開 : 2025.09.23 11:05

伝説的デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインは、これまで数多くの名車とコンセプトカーを世に送り出してきました。今回は、その中でも特に画期的な作品を50台ピックアップして紹介します。

自動車デザインに大きな影響を与えた作品群

現在、アウディ・グループの傘下となったイタルデザインは、1968年にジョルジェット・ジウジアーロとアルド・マントヴァーニによって設立された。

史上最高のデザイン会社とも称されるイタルデザインは、フィアット・パンダやウーノ、フォルクスワーゲン・シロッコといった伝説的な名車を手掛け、競合他社よりも多くのヒット作を生み出してきた。フォルクスワーゲン・ゴルフのような、ロングセラー車の礎を築いたのも同社である。

イタルデザインが生んだ画期的な作品を紹介する。
イタルデザインが生んだ画期的な作品を紹介する。

この記事では、イタルデザインが生み出した画期的な50台(量産車とコンセプトカーを含む)を紹介する。過去半世紀にわたる多作ぶりを考えると、その足跡をすべて辿るにはスペースが足りない……。

マンタ(1968年)

イタルデザインの発端となったのがこのクルマだ。ジウジアーロが自身のカロッツェリアのトップとして手掛けた初のコンセプトカーである。イタルデザイン設立からわずか40日後、1968年のトリノ・モーターショーで公開されたマンタは、最高出力400psのシボレー製V8エンジンを搭載し、最高時速は約320km/hを超えると言われていた。当初はグリーンの塗装にオレンジのアクセントで彩られていたが、イタルデザイン創立30周年記念行事でグレーに塗り替えられた。しかし、その後、再びグリーンに戻されたのである。

マンタ(1968年)
マンタ(1968年)

イグアナ(1969年)

1969年のトリノ・モーターショーで初公開されたイグアナは、アルファ・ロメオ33ストラダーレから流用した1995cc V8エンジンを搭載していたが、後にモントリオール由来の2.6L V8に換装された。ガラス張りのルーフと大型リアウィンドウにより、キャビンはとても明るく、特大のフロントガラスは優れた前方視界を確保していた。

イグアナ(1969年)
イグアナ(1969年)

タピロ(1970年)

タピロのベースとなったクルマを尋ねられても、おそらく答えに詰まるだろう。実は、ポルシェ914である。シャープなライン、明確なウェッジシェイプ、鋭いコーナーなど、オリジナルデザインはほとんど残っていない。1980年代にコレクターに売却されたが、事故で大破してしまった。

タピロ(1970年)
タピロ(1970年)

アルファ・ロメオ・アルファスッド(1971年)

イタルデザインが初めて手掛けた量産車である。1971年に登場したアルファスッドは、小型車のダイナミクスの常識を打ち破ったが、残念ながら耐久性では同じような成果を残せなかった。1983年まで生産が続き、約90万台が販売された。搭載エンジンは1.2~1.5Lの水平対向4気筒だった。

アルファ・ロメオ・アルファスッド(1971年)
アルファ・ロメオ・アルファスッド(1971年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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