強烈なインパクトを残した3輪車 52選(前編) 市民の「足」として活躍した奇妙なクルマたち

公開 : 2025.10.25 11:25

ACプティット(1952年)

轟音を響かせるコブラ427を生み出したACが、最高速度60km/hそこそこの3輪車を生産していたとは、にわかには信じがたい。プティットはスチール製だが、後継のモデル70はプラスチック製だった。1970年代の英国の道路ではよく見られた。モデル70は安全性があまりにも低く、1978年に生産禁止となり、2003年には公道から姿を消した。

ACプティット(1952年)
ACプティット(1952年)

アラード・クリッパー(1953年)

AC同様、アラードも巨大な米国製V8エンジンを搭載したスポーツカーで知られる会社のため、クリッパーは異色の存在と言える。世界初のグラスファイバー製自動車の1つである。346ccエンジンの最高出力はわずか8psで、クリッパーの信頼性は低く、ほとんど生産されなかった。

アラード・クリッパー(1953年)
アラード・クリッパー(1953年)

SNCANインター(1953年)

SNCANはフランスの航空機メーカーだったが、自動車製造業に転向した。メッサーシュミットと同様、インターは2人乗りで、175ccエンジンを搭載している。初期モデルは前輪を折りたたむことができ、標準的な住宅の玄関ドアから引き入れて屋内保管が可能だった。

SNCANインター(1953年)
SNCANインター(1953年)

ブルッシュ・スパッツ(1954年)

エゴン・ブルッシュ(1904-1988)は1950年代で最も多作なマイクロカー設計者の1人だが、商業的成功はほとんど収められなかった。彼の最初の作品はスパッツで、191cc単気筒エンジンを搭載している。グラスファイバー製モノコック構造を採用したが、強度不足で破損する事故が多発。このためドイツでは販売禁止となり、ブルッシュは大きな挫折を味わった。

ブルッシュ・スパッツ(1954年)
ブルッシュ・スパッツ(1954年)

ゴードン(1954年)

ヴァーノン・インダストリーズはサッカーくじの運営会社で、幸運な人々を一夜にして大富豪にしてきた。同時に、この怪しいクルマも販売していた。おそらく、くじの当選者が購入したことはないだろう。197ccエンジンは運転席側のボディ外側に配置され、最高速度は約72km/hだった。

それにもかかわらず、ヴァーノン社はゴードンを「英国最高の3輪ファミリーカー」と称した。AUTOCAR英国編集部は異論を唱えたい。

ゴードン(1954年)
ゴードン(1954年)

アヴォレット(1955年)

ブルッシュのもう1つの作品であるアヴォレットは、フランスのエア・ツーリスト社にライセンス供与された。同社はスタイリングを改良し、この写真からもわかるように、スタイリッシュに仕上げた。標準のパワートレインは175cc単気筒エンジンだったが、性能を求める人向けに250ccエンジンがオプションで用意されていた。

アヴォレット(1955年)
アヴォレット(1955年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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