開きそうで開かないリアガラス(1) シトロエンGSにアルファスッド 流行へ乗り遅れたモデルたち

公開 : 2025.12.14 17:45

オースチン・アレグロ(1973〜1982年)

1973年の発売当時、テールゲートを持つサルーンは殆ど存在しなかった。フランスやイタリアまで視野を広げても。アレック・イシゴニス氏が手掛けた、ADO16シリーズより大きなトランクが与えられていたが、不当な判断ではなかったといえる。

1975年にシリーズ2へ更新されても、テールゲートの採用は見送られた。開発費による価格上昇や、同時期のオースチン・マキシの人気を奪うことが懸念されたのだろう。

オースチン・アレグロ(1973〜1982年)
オースチン・アレグロ(1973〜1982年)

マニアな小ネタ:ボディ剛性の低下も、テールゲートを遠のけた理由かもしれない。1975年にコンバーチブルが作られるが、ルーフを切ると剛性低下が著しかったとか。

シトロエンCX(1974〜1989年)

ランチア・ガンマと同様に、BMCのコンセプトカー、エアロディナミカの影響を受けたと考えられるCX。当時、協力関係にあったフィアット傘下のランチアのように、テールゲートは不要だとシトロエンは判断したようだ。1970年のSMには備わったのに。

マニアな小ネタ:フランス政府の反発がなければ、CXとガンマは深く技術共有していた可能性が高い。ランチアの水平対向4気筒エンジンに、シトロエンのハイドロニューマチック・サスが組み合わされ、一層個性的なモデルになっていたはず。

シトロエンCX(1974〜1989年)
シトロエンCX(1974〜1989年)

この続きは、開きそうで開かないリアガラス(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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