今こそ注目したい黄金期 1990年代前半の名車 47選(後編) 解き放たれる強烈な個性

公開 : 2025.12.03 12:05

フィアットバルケッタ(1995-2005年)

フィアット・バルケッタは、前身のX1/9ほどの印象的なデザインではなく、 クラシックな124スポルト・スパイダーほどの美しさもない。ベースは前輪駆動のプントだ。しかし、実際のところ、バルケッタの軽快で楽しいハンドリングは一見の価値ありだ。高回転型の1.7Lエンジンも同様である。ただし、左ハンドル仕様しかない (一部、右ハンドルへの改造車も存在する)。また、錆びやすいという弱点もあるため、中古車購入時にはフロアとリアアーチを入念に点検してほしい。

フィアット・バルケッタ(1995-2005年)
フィアット・バルケッタ(1995-2005年)

アルファ・ロメオGTV/スパイダー

優れたリアサスペンションにより、GTVは前輪駆動車とは思えないほど楽しくスポーティな走りを見せる。2.0Lツインスパークエンジンも優秀だが、真の名機は3.0L V6で、心を揺さぶるサウンドが魅力だ。マイナーチェンジ後は新型の6速トランスミッションが導入された。

アルファ・ロメオGTV/スパイダー
アルファ・ロメオGTV/スパイダー

クーペ・フィアット(1995-2000年)

クリス・バングル氏がデザインしたこの印象的なクーペは、1993年の発売時に大きな話題を呼んだ。当初は4気筒16バルブエンジンを搭載し、後に5気筒20バルブエンジンが追加された。特に214psの20バルブターボは素晴らしく、平凡なティーポのプラットフォームをベースにしながらも、運転は実に楽しい。価格は上昇傾向にあるため、今が買い時だ。

クーペ・フィアット(1995-2000年)
クーペ・フィアット(1995-2000年)

フィアット・ブラーボHGT(1995-1999年)

ブラーボHGTは当時としてはかなり速い小型ホットハッチだった。クーペ・フィアットに搭載された自然吸気5気筒エンジンを継承し、145psという高出力を発揮した。英国には1997年に右ハンドル仕様が輸入されたが、現在では10台強しか残っておらず、入手困難だ。

フィアット・ブラーボHGT(1995-1999年)
フィアット・ブラーボHGT(1995-1999年)

日産スカイラインGT-R(R33)(1995-1998年)

英国への輸入台数はわずか100台で、すべて高性能のVスペック仕様をSVA規制に合わせて調整したものだが、並行輸入車も多数存在する。当然ながら購入すること自体に問題はないが、整備履歴がきちんと記録されているか確認することが重要だ。そして塩害対策のため、アンダーコート処理が施されたかどうかを必ず確認しておきたい。英国への正規輸入車は高額で取引される。標準仕様でも280psと十分なパワーがあるが、多くの車両がチューンアップされている。

繰り返しになるが、改造車を購入すること自体は悪いわけではない。しかし、専門知識を持つ人によって改造されていることを確認すべきだ。400psを超える車両は、相当な改造が施されているはずだ。スカイラインGT-R は1990年代のアイコンであり、適切に手入れされていれば信じられないほどの直線性能を誇る。

日産スカイラインGT-R(R33)(1995-1998年)
日産スカイラインGT-R(R33)(1995-1998年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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